セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)小腸-大腸(クローン病) |
---|---|
タイトル | 消P-465:インフリキシマブ投与時のヒドロコルチゾンによる前投薬の有効性についての検討 |
演者 | 鈴木 直之(静岡県立総合病院・消化器内科) |
共同演者 | 永倉 千紗子(静岡県立総合病院・消化器内科), 上田 樹(静岡県立総合病院・消化器内科), 奥野 真理(静岡県立総合病院・消化器内科), 重友 美紀(静岡県立総合病院・消化器内科), 山田 友世(静岡県立総合病院・消化器内科), 黒上 貴史(静岡県立総合病院・消化器内科), 白根 尚文(静岡県立総合病院・消化器内科), 菊山 正隆(静岡県立総合病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】インフリキシマブがクローン病の自然史を変え得るとされてから久しいが,長期使用に伴い二次無効症例が多くみられるようになってきた.その原因としてATI(antibody to infliximab)の出現によるインフリキシマブの血中濃度の低下が挙げられている.また,ATIは投与時反応にも関連があるとされている.免疫調節剤がATIの産生を抑えるとされているが,過去にヒドロコルチゾンもATI産生を減じることが報告されている.当院ではインフリキシマブ導入時(2006年)から現在まで投与時反応に対して予防的にpremedicationとしてヒドロコルチゾンの投与を全例に行っている.【方法】当院でインフリキシマブを1年以上投与されているクローン病27症例について,投与時反応の有無や二次無効の頻度を検討した.【成績】小腸大腸型10例,小腸型11例,大腸型6例で,男:女比は17:10であった.インフリキシマブ投与開始時の平均年齢は30.2歳で,発症からインフリキシマブ投与開始までは平均6.28年であった.レミケードの平均投与期間は2.82年で中央値は2.48年であった.開始時併用薬はそれぞれ5ASA:ED:PSLは25:17:5であり,免疫調節剤を併用していた症例はなかった.なお,開始時にPSLが投与されていた症例は全例経過中に中止し得た.投与時反応は軽微なもの以外は全例で認められなかった(投与速度変更で対処可能).効果減弱により,実際にレミケードの短縮もしくは増量を行った症例は10例(37%)で,変更した時期はインフリキシマブ開始から1年以内が4例(15%),1~2年が4例,4年以降が2例であった.なお,ACCENT II試験における54週までの効果減弱率が25.2%であった.【結論】ヒドロコルチゾンによるpremedicationはインフリキシマブに対する投与時反応対策に有効なだけでなく,効果減弱を遅らせる可能性も考えられる.今後血中インフリキシマブ濃度の測定が可能になればさらに詳細な検討が可能になると思われる. |
索引用語 | インフリキシマブ, ヒドロコルチゾン |