セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

小腸-大腸(クローン病)

タイトル 消P-466:

クローン病におけるシングルバルーン内視鏡併用小腸X線造影チューブ(福大筑紫式)の有用性の検討

演者 野口 篤志(大阪市立大大学院・消化器内科学)
共同演者 渡辺 憲治(大阪市立大大学院・消化器内科学), 鋳谷 成弘(大阪市立大大学院・消化器内科学), 松本 紘子(大阪市立大大学院・消化器内科学), 新藤 正喜(大阪市立大大学院・消化器内科学), 塚原 卓矢(大阪市立大大学院・消化器内科学), 萩原 良恵(大阪市立大大学院・消化器内科学), 森本 謙一(大阪市立大大学院・消化器内科学), 鎌田 紀子(大阪市立大大学院・消化器内科学), 十河 光栄(大阪市立大大学院・消化器内科学), 山上 博一(大阪市立大大学院・消化器内科学), 谷川 徹也(大阪市立大大学院・消化器内科学), 富永 和作(大阪市立大大学院・消化器内科学), 渡辺 俊雄(大阪市立大大学院・消化器内科学), 藤原 靖弘(大阪市立大大学院・消化器内科学), 荒川 哲男(大阪市立大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】クローン病におけるダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)やシングルバルーン小腸内視鏡(SBE)は、癒着や活動性の高い潰瘍、狭窄により深部小腸 への挿入が困難で、挿入到達可能部位遠位側の診断が困難な場合がある。こうした症例に対する福大筑紫式小腸X線造影用チューブ(以下筑紫チューブ)の当院の使用成績を検討した。【方法】SBEを可及的に小腸深部に挿入した後、オーバーチューブを残し内視鏡を抜去、オーバーチューブ内に筑紫チューブを挿入し、バリウムを注入して選択造影した。対象は2010年11 月~2012年3月にSBEと筑紫チューブによる造影を行ったクローン病患者20例22回で、挿入経路は経肛門的挿入21回、経口的挿入1回だった。経肛門的挿入での造影について、2011年にDBE下ガストログラフィン(GG)造影が施行された27例と比較検討した。【結果】筑紫チューブの挿入は容易で、全例で合併症なくバリウムによる良好な造影所見を得られた。筑紫チューブによる造影剤到達距離は105.1±34.4cmであり、DBE下GG造影の43.7±18.2cmに比べ有意に長かった(p<0.001)。内視鏡で観察できなかった部位に描出された病変は、20例中狭窄11例(平均2.0個)、潰瘍3例、潰瘍瘢痕7例、瘻孔1例であった。対象患者において以前に施行されたDBEまたはSBE下GG造影11例(平均検査間隔530日)との比較で、筑紫チューブ造影で描出狭窄数が多い傾向がみられ、DBE下GG造影で描出不可能だった狭窄を描出できた症例も存在した。【結論】筑紫チューブのバリウムによる選択的小腸造影は、クローン病患者における深部小腸の正確な画像診断に有用な検査法で、治療方針の決定に具体的な根拠を与え得る精度の高い検査法である。
索引用語 クローン病, 小腸