セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(基礎)1

タイトル 消P-470:

TNBS誘発腸炎マウスにおけるCO-releasing molecule (CORM-3)による炎症制御機構の検討

演者 福田 亘(京都府立医大大学院・消化器内科学)
共同演者 内藤 裕二(京都府立医大大学院・消化器内科学), 高木 智久(京都府立医大大学院・消化器内科学), 堅田 和弘(京都府立医大大学院・消化器内科学), 水島 かつら(京都府立医大大学院・消化器内科学), 辻 俊史(京都府立医大大学院・消化器内科学), 久貝 宗弘(京都府立医大大学院・消化器内科学), 寄木 浩行(京都府立医大大学院・消化器内科学), 福居 顕文(京都府立医大大学院・消化器内科学), 吉田 直久(京都府立医大大学院・消化器内科学), 鎌田 和浩(京都府立医大大学院・消化器内科学), 内山 和彦(京都府立医大大学院・消化器内科学), 石川 剛(京都府立医大大学院・消化器内科学), 半田 修(京都府立医大大学院・消化器内科学), 小西 英幸(京都府立医大大学院・消化器内科学), 八木 信明(京都府立医大大学院・消化器内科学), 古倉 聡(京都府立医大大学院・消化器内科学), 市川 寛(同志社大・生命医科学), 吉川 敏一(京都府立医大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】一酸化炭素(CO)はHeme Oxygenase (HO)によるHemeの分解産物の一つである。CO吸入だけでなく、CO-releasing molecule (CORM)がCO産生物質として用いられ、様々な動物モデルにおいて抗炎症効果を示すことがこれまで報告されている。しかしその詳しい機序は明らかではない。今回、クローン病の実験動物モデルであるトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)誘発腸炎マウスにおけるCOによる炎症制御機構について、新規水溶性CO放出物質であるCORM-3を用いて検討した。【方法】C57BL6マウスにTNBS溶液を注腸しTNBS誘発腸炎を作成した。CORM-3は10mg/kg/回を腸炎作成前に1回、腸炎作成後は2回/日、腹腔内投与した。腸炎作成後3日目に大腸を摘出し、潰瘍スコア・粘膜中のミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性・各種サイトカインについて検討した。また、脾臓よりCD4+Tリンパ球を採取し、抗CD3/CD28抗体刺激に対するTNF-alpha産生への影響について、またCORM-3によるTh1・Th17細胞の分化への影響について検討を行った。【結果】TNBS誘発腸炎群ではsham群と比較し、マクロ像での潰瘍スコア、好中球浸潤の指標であるMPO活性、粘膜中のTNF-alphaやKCは有意に亢進していた。これらの亢進はCORM-3の投与により有意に抑制されていた。またCORM3の投与によりCD4+リンパ球からのTNF-alphaの産生は有意に阻害されていた。【結論】COはTNBS誘発腸炎を有意に改善した。COが炎症性腸疾患における新たな治療標的分子となる可能性が示唆された。
索引用語 一酸化炭素, TNBS腸炎