セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(基礎)1 |
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タイトル | 消P-471:選択的DPP4阻害薬SK0403はDSS誘発腸炎からの回復を高める。 |
演者 | 三村 俊哉(名古屋大大学院・消化器内科学) |
共同演者 | 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 石黒 和博(名古屋大大学院・消化器内科学), 前田 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 神谷 徹(名古屋大大学院・消化器内科学), 氏原 正樹(名古屋大大学院・消化器内科学), 平山 裕(名古屋大大学院・消化器内科学), 森瀬 和宏(名古屋大大学院・消化器内科学), 船坂 好平(名古屋大附属病院・光学医療診療部), 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学) |
抄録 | 【目的】選択的DPP4阻害薬は2型糖尿病の治療薬として臨床応用されている。今までにDPP4、DPP8、DPP9を阻害する非選択的DPP阻害薬でDSS誘発腸炎が改善したとの報告がある一方で、DPP4欠損マウスではDSS誘発腸炎が改善しなかったという報告もある。今回我々は選択的DPP4阻害薬SK0403を用いて、DPP4阻害がマウスDSS腸炎に与える作用を明らかにすることを目的とした。【方法】8週齢雄C57BL/6マウスをSK0403投与群と非投与群に分けDSS1.5%混入飲料水を7日間投与し最大14日間観察した。SK0403は餌に0.1%の濃度で混入した。体重減少率を症状の主要評価項目とした。下痢と血便の程度を評価に追加したDisease activity index (DAI 0-12点)を補助評価項目とした。第7、第10、第14日に大腸の長さとHistological score (HS 0-6点)を用いて大腸炎の病理学的評価を行った。Ki67免疫染色で大腸上皮の増殖を評価した。組織への好中球浸潤の程度をMPO活性で評価した。【結果】SK0403投与群ではDPP活性が44%低下した。DSS投与終了時の体重減少率、DAI、MPO活性に2群間で有意差は無かった。第10日に体重減少率、DAIは最大となりSK0403投与群は体重減少率、DAIの有意な改善を認めた。(体重減少率: DSS群 20.7±7.7%; DSS+SK0403群 12.2±6.9% p<0.01 n=15; DAI: DSS群 7.0±0.7; DSS+SK0403群 3.9±0.8 p<0.01 n=15)。病理学的所見は第10日目と第14日目にSK0403投与群で有意に軽度であった。またSK0403投与群においてKi67陽性細胞数の有意な増加が認められた。【結論】選択的DPP4 阻害薬SK0403はマウスDSS誘発腸炎の発症にはほとんど影響しなかったが、その回復を高めた。選択的DPP4阻害薬が消化管疾患の治療に応用できる可能性が示唆された |
索引用語 | DSS腸炎, DPP4 |