セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(基礎)3

タイトル 消P-483:

制御性B細胞による腸炎抑制効果 -制御性T細胞非依存的な抑制機構の検討-

演者 岡 明彦(島根大・2内科)
共同演者 石原 俊治(島根大・2内科), 多田 育賢(島根大・2内科), 楠 龍策(島根大・2内科), 福庭 暢彦(島根大・2内科), 森山 一郎(島根大附属病院・腫瘍センター), 結城 崇史(島根大附属病院・光学医療診療部), 川島 耕作(島根大・2内科), 木下 芳一(島根大・2内科)
抄録 【目的】
炎症を負に制御する新規のB細胞サブセットである制御性B細胞(Breg)の機能は明らかにされていない.これまで我々は,Crohn病(患者,SAMP1/Yitマウス)においてBregが減少していることを報告し,またSCIDマウスにCD4+細胞を移入し腸炎を惹起させたモデルを用いてBregの腸炎抑制効果を報告してきた.今回は,制御性T細胞(Treg)を除去した状態でのBregの腸炎抑制効果について検討を行った.
【方法】
SAMP1マウスの腸間膜リンパ節(MLN)から,Treg を含まないCD4+CD25-細胞を磁気分離し,SCIDマウスに移入し慢性腸炎モデルを作製した.本モデルに正常マウス(AKR/N)のB細胞(CD19+細胞),あるいはBreg分画(CD19highCD1dhigh)をsorting により除去したB細胞(non-Breg)をそれぞれ移入した。腸炎の程度を体重変化とHistological scoreで評価した.腸管とMLN,脾臓を用いて,浸潤したCD4+細胞とB細胞をFlowcytometryと組織免疫染色にて解析し,また組織中の各種サイトカイン(MIP-2,TNF-α,IFN-γ,IL-1β)の発現量をReal-Time PCRで測定した.
【成績】
移入したCD4+細胞,B細胞は7週間後の解剖時まで腸管,MLN,脾臓に生着していることがFlowcytometryと組織免疫染色にて確認された.non-Breg群では,有意に体重は減少し,腸炎は増悪した.また各組織のCD4+細胞浸潤,MIP-2,TNF-α,IFN-γ,IL-1β発現量は何れも増悪した.
【結論】
Treg非依存的にもBregは腸炎を抑制し得ることが示唆された.
索引用語 制御性B細胞, 炎症性腸疾患