セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(診断)1 |
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タイトル | 消P-485:感染性腸炎における混合感染について |
演者 | 関崎 亮(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科) |
共同演者 | 福生 瑛(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 田中 英樹(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 河越 尚幸(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 竹本 育聖(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 渡邉 利泰(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 竹内 基(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 本田 善子(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 島田 長人(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 中嶋 均(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 瓜田 純久(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科), 杉本 元信(東邦大医療センター大森病院・総合診療・急病科) |
抄録 | 【背景】感染性胃腸炎は特定のウィルスや細菌感染あるいは食中毒に代表される集団発生を除くと過小評価され、特に成人のウィルス性胃腸炎は重要視されがちであった。一方、呼吸器感染症においてはウィルスと細菌の混合感染が密接な関係にあることがごく一般に受け入れられている。しかしながら消化管感染症に関してはこれまで議論が皆無であった。我々はこれまで、ロタウィルスを含むウィルス感染が重要な成因をなすことを提唱してきた。今回はウィルスと細菌の混合感染に関してその臨床的意義から報告する。【対象・方法】対象は2011年1月から10か月間に急性下痢を訴えて受診した120例で、年齢15-89歳、男/女74/46であった。ウィルス検索は市販のノロウィルス用迅速キット(QUICKNAVI-NOROTM, Otsuka Pharmaceutical Co. Ltd)、ロタ/アデノウィルス用迅速キットBD Rota / Adeno Examan StickTM, Becton and Dickinson Co.)を使用した。両キットともに判定に要する時間は10分で、検体入手後できるだけ速やかに担当医が直接判定する。病原細菌の検出のため同じ検体を使用して便培養も行う。【結果】17例(24.5%)でウィルス単独検出、17例(24.5%)が細菌単独感染であった。細菌とウィルスの両者が検出されたのは58例中24例(41.0%)であった。検出細菌では下痢原性大腸菌、サルモネラ菌、カンピロバクタ―などが主で、下痢原性大腸菌が最も多数を占めた。ノロウィルス感染15/120(12%)例、ロタウィルス感染25/120例(20%)、アデノウィルス28/120(23%)例で平均年齢はそれぞれ50.0±24.6歳、36.3±15.86歳、38.6±18.3歳と3種の中ではノロウィルスが最も高齢であった。χ2乗検定ではウィルスと細菌の混合感染は有意に高頻度であった(p<0.001)。【結論】ウィルスと細菌の混合感染は有意に高頻度であることが判明し、ウィルス感染が判明した場合の急性胃腸炎の治療方針は柔軟に対応する必要性が示唆された。 |
索引用語 | ウィルス性下痢症, 感染性腸炎 |