セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(診断)2

タイトル 消P-494:

大腸ポリープにおける性差についての検討

演者 渡邊 義敬(東京大・消化器内科)
共同演者 山地 裕(東京大・消化器内科), 鈴木 裕史(東京大・消化器内科), 小林 由佳(東京大・消化器内科), 神部 晴香(東京大・消化器内科), 磯村 好洋(東京大・消化器内科), 吉田 俊太郎(東京大・消化器内科), 山田 篤生(東京大・消化器内科), 平田 喜裕(東京大・消化器内科), 吉田 晴彦(東京大・消化器内科), 小池 和彦(東京大・消化器内科)
抄録 【目的】大腸ポリープは男性に多いことが知られている。一方、大腸ポリープの危険因子として、年齢、飲酒・喫煙などの生活習慣、さらに近年では肥満や内臓脂肪、それに伴うメタボリック症候群などが知られている。大腸ポリープの性差について、他因子とともに検討した。【方法】2007年から2010年に当科にて大腸内視鏡検査を行った者で、過去に検査歴のない1499名を対象に検討を行った。検査時の問診票及び身体所見より各種危険因子の情報を取得し、大腸ポリープとの関連について、特に性差に注目して検討した。【成績】対象中698名(46.7%)に大腸ポリープが認められた。男性829名中438名(52.8%)、女性670名中260名(38.8%)と、やはり男性に多く認められた(p<.0001)。その他検討したほとんどの項目が単変量解析では有意であった。性別、年齢、飲酒歴、喫煙歴、大腸癌の家族歴、NSAIDsの内服歴、腹囲、高血圧、糖尿病、高脂血症の因子により多変量解析を行なったところ、年齢、飲酒、喫煙、腹囲、高血圧が大腸ポリープの独立した危険因子であり、性別は(オッズ比:1.21、95%CI:0.93-1.57)、有意な因子と示されなかった。年齢60歳以上、腹囲80cm以上、飲酒、喫煙、高血圧の五因子のうちいくつの因子を有するかによって分類すると、男性は平均2.9因子、女性は平均1.8因子で、男性が有意に危険因子の保有数が多かった(p<.0001)。各群での大腸ポリープの有病率を男女別にみると、因子数0の群:男性9.5%、女性15%(p=0.7)、1因子:24%と29%(p=0.3)、2因子:48%と46%(p=0.8)、3因子:56%と48%(p=0.1)、4因子:67%と63%(p=0.7)、5因子:68%と60%(p=0.7)と、因子数が多いほど男女とも大腸ポリープの有病率が高かったが、保有数が同じ群においては性差が明らかでなかった。結論:大腸ポリープが男性に多いことに関しては、生活習慣や内臓脂肪蓄積などの要因が大きく関与している可能性が示唆された。
索引用語 大腸ポリープ, 性差