セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(診断)2

タイトル 消P-495:

新たな大腸癌スクリーニングシステムとしての5-ALA負荷尿中ポルフィリン値の検討

演者 森田 敏弘(滋賀県立成人病センター・消化器内科)
共同演者 松村 和宜(滋賀県立成人病センター・消化器内科), 國立 裕之(京都桂病院・消化器センター消化器内科)
抄録 【目的】大腸癌スクリーニングの便潜血検査は簡便であり有用性は確立されているが、精度に関して問題は残されている。CEA, CA19-9の腫瘍マーカーに関してもスクリーニング検査として感度は高くない。今回我々は、新たな大腸癌一次スクリーニングシステムの構築を目的として5-アミノレブリン酸(以下5-ALA)負荷後の尿中ポルフィリン(U-Por)値を測定し、新たな癌マーカーの可能性について検討した。5-ALAは、生物界に広く存在する天然アミノ酸であり、ポルフィリン化合物の合成前駆体として必要不可欠な生物の生命活動の根源物質であり、脳腫瘍摘出手術における術中診断薬としての有用性が報告されている。国内においても。すでに、3000例以上の臨床研究報告があり、安全性についても特筆すべき副作用は認められなかった。【方法】対象は未治療大腸癌症例3例、健常ボランティア(HV)8例とした。Day 1にControlの採尿、Day2に5-ALA100mg負荷後採尿、Day3に5-ALA 300mg負荷後の採尿を行いU-Por値を測定した。本試験は、倫理審査委員会の審査を受け、その承認を得た後に実施され、文書で同意を所得した。【成績】Controlにおいて大腸癌例U-Por値 197±99 nmol/gCre、 HV群にて148±56と有意差は認めなかった。5-ALA 100mg負荷にても大腸癌例1353±655、HV群 1240±421と有意差を認めなかったが、5-ALA 300mg負荷にて大腸癌例2892±429、HV群 1811±445と大腸癌例において有意に高い値を示した。(P=0.017)。また、CEA,CA19-9が正常値であった大腸癌2症例においても5-ALA 300mg負荷U-Por値は高い値を示した。【結論】症例数が少ないものの5ALA負荷尿中ポルフィリン値は新たな大腸癌マーカーの可能性を持つスクリーニングシステムと考えられた。
索引用語 大腸癌, 腫瘍マーカー