セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(クローン病)1 |
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タイトル | 消P-496:当院におけるクローン病に対するInfliximab二次無効症例の現状 |
演者 | 永井 健太(広島大・消化器・代謝内科) |
共同演者 | 上野 義隆(広島大・内視鏡診療科), 田中 信治(広島大・内視鏡診療科), 林 亮平(広島大・消化器・代謝内科), 岡 志郎(広島大・内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大・内視鏡診療科), 日山 亨(広島大保健管理センター), 伊藤 公訓(広島大・消化器・代謝内科), 北台 靖彦(広島大・消化器・代謝内科), 吉原 正治(広島大保健管理センター), 茶山 一彰(広島大・消化器・代謝内科) |
抄録 | 【目的】Infliximab(IFX)療法はクローン病(CD)の標準的寛解維持療法となりつつあるが、二次無効症例への治療指針は定まっていないのが現状である。今回、我々はIFX療法における二次無効症例の背景を検討し、また二次無効症例に対してIFX倍量投与を行った群とAdalimumab(ADA)に切替えた群との短期治療成績について後ろ向きに検討した。【対象と方法】2003年2月から2012年1月まで当院でIFXが投与された94名のCD患者うち、少なくとも3回以上IFXが投与され、計画的維持投与中のCD患者64名(一次無効及び投与時反応出現例は除く)を対象に検討した。再燃のため1週以上の期間短縮が行われた例、手術施行例を二次無効例とし、二次無効群(22例)と寛解継続群(42例)とに群分けし検討した。また、二次無効例のうちIFX倍量投与に変更した群(7例)と、Adalimumab(ADA)に切替えた群(6例)の短期治療効果を検討した。【結果】二次無効例の内訳は、期間短縮例20例、手術例2例であった。二次無効群と寛解継続群とで、IFX初回投与時年齢、発症年齢、性別、病型及びIFX投与回数に有意差は認めなかったが、罹病期間は二次無効群で有意に長かった(16.2 vs 9.8年、P=0.0105)。併用薬及び栄養療法併用の有無に有意差は認めなかった。短期治療効果(0週と6週で比較)は、2群間においてCDAI、CRP、Hb、Albいずれも改善していたが、二次無効群で6週後のCRP値が有意に高く(0.4 vs 0.19、P=0.0475)、治療前Albは有意に低値(P=0.015)であった。IFX倍量投与群とADA切替え群の短期治療効果(4週後)は、CDAI、CRPともに改善しており、両群間で治療効果に差は認めなかった。また投与時反応をIFX倍量投与群で43%(3例)に認めた。【結論】二次無効症例に対するIFX倍量投与及びADA切替えは、ともに短期治療効果を有していたが、倍量投与では投与時反応の発現率が高かった。 |
索引用語 | クローン病, Infliximab |