セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)1

タイトル 消P-498:

クローン病インフリキマブ効果減弱例に対するGMA併用療法の有効性―血中サイトカイン変化の検討も含めて

演者 加藤 真吾(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)
共同演者 小林 泰輔(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 可児 和仁(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 山本 龍一(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 大野 志乃(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 櫻田 智也(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 名越 澄子(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科), 屋嘉比 康治(埼玉医大総合医療センター・消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】インフリキマブ(IFX)効果減弱症例に対し、Granulocyte/monocyte adsorptive apheresis (GMA)療法を併用したCD症例について、血中の炎症抑制性サイトカインであるTGFβ1の変動も含め検討した。【方法】IFX 1回量5mg/kgにてCDAI≧220の中等症以上の6例に対し、IFX投与4週目より、GMA療法を週1回4週間併用した。効果判定にWeek 0 (IFX投与開始時)、Week 4(GMA開始時)、Week 8(次回IFX投与時)のCDAI変化を測定し、寛解:CDAI≦150、有効: CDAI ≧ 30%の改善、無効; CDAI <30%の改善、悪化; CDAIの増加とした。IFX+GMA併用療法(以下併用療法)の継続効果の判定は、Week4のCDAIの経時的低下とした。併用療法初回時の血中IFXトラフ濃度の変化および4回以上併用療法を施行した症例の血中TGFβ1濃度の変化も測定した。【成績】Week 4のIFXトラフ値<0.39μg/mlを呈したのは3例であったが、IFXトラフ値とWeek 8のGMA治療効果との間に関連はなかった。6例のうち、初回の併用療法でWeek4からWeek8のCDAIの低下を認めたのは67%(4/6例)であった。併用療法継続の効果判定では、初回の併用療法において、Week 4のCDAIが悪化した2例および無効の1例のうち、悪化した2例はCDAIが改善した。一方、Week4のCDAIが改善した3例では併用療法による臨床効果は明らかでなかった。4クール以上併用療法を施行した3例中、Week 4, 8で毎回有意にCDAIが有意に低下した1例は、毎回血中TGFβ1濃度の増加が認められた(Week4 vs Week8, CDAI:323±37.8 vs 202±71.8, p<0.05, TGFβ1:19.3 ±12.3 vs 39.6±7.08 ng/ml)。【結語】クローン病IFX二次無効例ではIFX投与後のWeek4にCDAIが悪化する症例に対してはGMA併用効果が期待され、その一つに血中TGFβ1の発現増加が関与している可能性が示唆された。
索引用語 IFX二次無効, GMA