セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)1

タイトル 消P-500:

インフリキシマブ投与後3年以上観察できたクローン病症例における治療効果の検討

演者 佐藤 剛司(山形大・消化器内科)
共同演者 武田 弘明(山形県立中央病院・内科), 水本 尚子(山形大・消化器内科), 吉澤 和哉(山形大・消化器内科), 矢尾板 孝夫(山形大・消化器内科), 岩野 大輔(山形大・消化器内科), 名木野 匡(山形大・消化器内科), 佐々木 悠(山形大・消化器内科), 西瀬 祥一(山形大・消化器内科), 上野 義之(山形大・消化器内科)
抄録 【背景】クローン病(以下CD)治療に、インフリキシマブ(以下IFX)が導入され、長期使用例も増加してきている。良好に病勢コントロールができている症例もある一方で、効果が減弱する二次無効例も存在し課題となっている。【目的】当院でIFX投与後3年以上観察できたCD病症例でIFXの効果について検討した。【方法】平成23年12月31日の時点で、当院でIFX投与後3年以上観察しえたCD症例17例について、レトロスペクティブにカルテ調査により検討した。再燃・手術、副作用の発生について調査した。本検討での再燃例は「何らかの追加治療を要した例」と定義した。再燃例と寛解維持例に分け、比較検討した。因子は導入前の病悩期間、投与時年齢、導入前の入院回数、手術回数、腸管合併症の有無、肛門病変の有無、経腸栄養療法の有無、免疫調整剤の有無とした。 さらに副作用の発生について調査した。【成績】再燃例は9例(52.9%)でした。再燃までの期間は平均16.8ヵ月でした。IFX後入院例は8例で、2例で手術例が行われ、いずれも人工肛門造設術であった。再燃群は導入時年齢がやや若く(28.8歳 vs. 38.8歳)、病悩期間が短かった(96.6ヵ月 vs. 128.4ヵ月)が、一方で導入前の入院例(9例 vs. 6例)、入院回数(4.2回 vs. 3.1回)、手術例が多く(7例 vs. 4例)、病勢コントロールが困難であったことが示唆された。免疫調整剤の併用、経腸栄養剤の併用状況は再燃群、寛解維持群で差がなかった。副作用は2例で、1例は抗TNFα製剤の変更、1例は中止となった。これ以外はいずれもIFXを継続投与することができた。【結論】IFX投与後3年以上観察できたクローン病の症例を検討した。3年間で半数程度が再燃した。しかし再燃後もIFX投与継続で、多くの例で手術回避できていた。文献的考察を含め報告する。
索引用語 インフリキシマブ, クローン病