セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)2

タイトル 消P-502:

クローン病に対するThiopurine製剤早期導入による寛解維持効果の検討

演者 本澤 有介(京都大・消化器内科)
共同演者 仲瀬 裕志(京都大・消化器内科), 松浦 稔(京都大・消化器内科), 千葉 勉(京都大・消化器内科)
抄録 【目的】免疫調節剤や生物学的製剤の登場によりクローン病(以下CD)患者の寛解導入率は大きく向上してきた。その一方、種々の内科的治療により外科的治療を回避し、長期にわたる寛解維持を継続することがCD患者のQOL向上に繋がる重要な臨床的課題の1つとなっている。欧米ではCD患者におけるThiopurine製剤による長期寛解維持効果が報告されているが、本邦では未だその報告は少ない。今回我々は、当院におけるThiopurine製剤を用いたCD患者に対する長期寛解維持効果について検討した。【方法】対象は2004年1月~2011年12月までに当院にてThiopurine製剤による治療を行った生物学的製剤の投与歴のないCD患者81症例(男性67人、女性14人)。寛解導入療法にはステロイド治療・顆粒球吸着療法を行い、寛解維持を目的としてThiopurine製剤の投与を行った。Thiopurine製剤の投与は、白血球数 3000~5000/μl、あるいは6-thioguanine (6-TG)濃度 235-450 pmol/8×108 RBCを目標に投与調整を行った。尚、『Crohn's Disease Activity Index 150以下、かつステロイド剤を使用していない状態』を寛解と定義し、(1)Thiopurine製剤の早期導入(CD診断後18ヶ月以内)、および(2)手術既往の有無がThiopurine製剤の寛解維持効果に与える影響について検討した。【成績】(1)Thiopurine製剤投与時の平均年齢は35歳(14-63歳)で、手術既往のある症例(手術既往群)は29症例(35.8%)であった。(2)Thiopurine製剤による累積寛解維持率は観察期間84.6ヶ月で56.5%であった。(3)Thiopurine製剤早期導入群(32例)は非早期導入群(診断18ヶ月以降に導入;49例)と比較し、累積寛解維持率が有意に高かった(65.3 % vs. 50.6 %; p<0.04)。(4)手術既往のない群と比較し、手術既往群ではThiopurine製剤による累積寛解維持率が有意に低かった(44.2% vs. 63.1 %;p<0.03)。【結論】CDに対するThiopurine製剤の長期寛解維持効果に加え、その早期導入はThiopruine製剤の寛解維持効果を高めることが示唆された。
索引用語 クローン病, 免疫調節剤