セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(クローン病)2 |
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タイトル | 消P-503:クローン病の粘膜治癒に対する免疫調節剤の有用性について |
演者 | 吉野 琢哉(北野病院・消化器センター内科) |
共同演者 | 木村 典世(北野病院・消化器センター内科), 牟田 優(北野病院・消化器センター内科), 廣橋 研志郎(北野病院・消化器センター内科), 西川 義浩(北野病院・消化器センター内科), 渡辺 昌樹(北野病院・消化器センター内科), 工藤 寧(北野病院・消化器センター内科), 加藤 洋子(北野病院・消化器センター内科), 山内 淳嗣(北野病院・消化器センター内科), 高 忠之(北野病院・消化器センター内科), 大橋 真也(北野病院・消化器センター内科), 浅田 全範(北野病院・消化器センター内科), 福永 豊和(北野病院・消化器センター内科), 川口 清隆(北野病院・消化器センター内科), 八隅 秀二郎(北野病院・消化器センター内科) |
抄録 | 【背景】抗TNF-α抗体製剤の登場により、炎症性腸疾患(IBD)の治療法は大きく変化した。現在のIBDの治療は、従来の臨床症状の改善や炎症のコントロールだけではなく、腸管粘膜治癒 (MH)を得ることが可能になった。これまでの報告によると、抗TNF-α抗体製剤が、高い寛解導入率、MH効果を認めることが分かっている。一方、従来の免疫調節剤のMH効果についてはあまりよく分かっていない。【目的】そこで当院に通院中のクローン病患者における免疫調節剤、抗TNF-α抗体製剤のMHに対する有用性について検討した。【方法】平成22年4月から平成24年2月まで当院通院中のクローン病患者36名中、免疫調節剤、抗TNF-α抗体製剤投与による維持療法中の患者28名を対象とした。患者背景は、平均年齢37.0±13.2歳。男性23名、女性5名。病型は、小腸型12名、大腸型4名、小腸大腸型12名。免疫調節剤 (IM)(アザチオプリン、メルカプトプリン)単独群と抗TNF-α抗体製剤 (Bio)(インフリキシマブ、アダリムマブ)単独群、IM+Bio併用群に分け、Event Free Survival (EFS)について検討した。また内視鏡を施行した14名においてMH率について検討を行った。【結果】1)治療開始時のCDAIはIM単独群、Bio単独群、IM+Bio併用群間に有意差を認めなかった。2)EFSは、IM単独群では76.9%(平均無事象期間10.1ヶ月)、Bio単独群では50.0%(24.2ヶ月)、IM+Bio併用群では60.0%(3.8ヶ月)であった。いずれの群においても統計学的有意差は認めなかった。3)IM単独群7名、Bio単独群6名において内視鏡を施行。内視鏡施行時期中央値はそれぞれ治療開始後9ヶ月、16ヶ月であった。MHを認めたのは、IM単独群71.4%(5/7名)、Bio単独群では50.0%(3/6名)であった。【まとめ】今回の検討では、IMはBioと同等に、クローン病のMH維持に有用であると考えられた。 |
索引用語 | クローン病, 免疫調節剤 |