セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)2

タイトル 消P-505:

クローン病の抗TNF-α抗体投与:内視鏡的緩解寄与因子

演者 岩本 史光(山梨県立中央病院・消化器内科)
共同演者 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 川上 智(山梨県立中央病院・消化器内科), 久野 徹(山梨県立中央病院・消化器内科), 深澤 佳満(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院・消化器内科), 津久井 雄也(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 健司(山梨県立中央病院・消化器内科), 鈴木 洋司(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 雄一(山梨県立中央病院・消化器内科), 望月 仁(山梨県立中央病院・消化器内科), 小俣 政男(山梨県立中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】抗TNF-α抗体の登場によりクローン病治療の臨床は変化した。抗TNF-α抗体長期投与において緩解例と非緩解例に寄与する因子を明らかにする。【方法】1992年4月から2012年3月までに当院で加療されたクローン病59例のうち抗TNF-α抗体を投与しているのは36例であった。抗TNF-α抗体投与後に大腸鏡にて治療効果の評価を行っていた28例を対象とし、抗TNF-α抗体投与による治療効果予測寄与因子を以下の11項目で検討した。性別、発症年齢、抗TNF-α抗体導入年齢、投与期間、痔瘻有無、抗TNF-α抗体導入時のCRP、抗TNF-α抗体導入時大腸潰瘍有無、成分栄養療法有無、5-ASA投与有無、ステロイド投与有無、6-MP投与有無、を単変量解析、多重ロジスティック回帰による多変量解析を行った。 【成績】導入前後で内視鏡的評価を行えたのは28例(男18、女10)、発症年齢中央値23歳、抗TNF-α抗体導入年齢中央値32歳、投与期間中央値847日、抗体導入直前CRP中央値0.54mg/dl。痔瘻有17例、抗体投与前大腸潰瘍有20例だった。治療として成分栄養療法有22例、5-ASA投与有27例、ステロイド投与有6例、6-MP投与有16例であった。直近の大腸鏡検査で緩解と診断されたのが18例(64%)であった。上記11検討項目の多変量解析を行った結果、抗TNF-α抗体導入時のCRPが抗TNF-α抗体の効果予測因子として統計学的有意差(p=0.023)を認めた。因みにCRP0.3以下の緩解率は80%、0.3以上の緩解率は56%だった。【結論】治療効果予測因子として、抗TNF-α抗体導入時のCRPが有用であることがわかった。今後も更なる長期予後に関わる因子を検討する必要がある。
索引用語 クローン病, 抗TNF-α抗体