セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(クローン病)3
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タイトル |
消P-509:Crohn病に対するAdalimumab療法の有用性についての検討
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演者 |
小林 清典(北里大東病院・消化器内科) |
共同演者 |
北川 博之(北里大東病院・消化器内科), 迎 美幸(北里大東病院・消化器内科), 小川 大志(北里大東病院・消化器内科), 横山 薫(北里大東病院・消化器内科), 佐田 美和(北里大東病院・消化器内科), 小泉 和三郎(北里大東病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】Crohn病(CD)に対するAdalimumab (ADM)療法の臨床的有用性を明らかにする。【方法】対象は当院でADM療法を行ったCD 28例である。性別は男性22例、女性6例、治療時年齢は32.7±7.6歳、病型は小腸型6例、小腸大腸型19例、大腸型3例であった。外科的腸切除の既往を13例(46%)、腸管合併症を15例(54%)、活動性肛門病変を5例(18%)に認めた。ADM療法の目的は、活動期CD治療が24例、術後再発防止が4例で、治療期間は7.1±3.9ヵ月(1~14ヵ月)であった。なお5-ASA製剤を27例、PSLを7例、免疫調節薬を3例、経腸栄養療法を20例に併用した。またInfliximab (IFX)治療の既往を11例に認めた。ADM療法前後のIOIBD scoreおよびCRPの推移から寛解導入率や有効率を評価した。なお寛解導入はIOIBD scoreが0~1点となりCRPが陰性化した場合、有効はIOIBD scoreが1点以上低下した場合と定義した。【成績】1)活動期CDに対する治療成績として、IOIBD scoreは治療前中央値2点が治療最終時1点、CRPは2.0mg/dlが0.9mg/dlに有意に減少、血清アルブミン値は3.7g/dlが4.1g/dlに有意な上昇を認めた。治療最終時の寛解導入率は32%、有効率は68%であった。なおIFX治療歴の有無で寛解導入率や有効率に差はなかった。腸管病変への治療効果は5例で評価でき、潰瘍の縮小が3例で得られた。2)術後再発の防止を目的に治療した4例では、ADM平均治療期間が6.8ヵ月で明らかな臨床的再発は認めていない。3)ADMの副作用は3例(11%)で認め、髄膜炎、頭痛、微熱が各1例であった。【結論】活動期Crohn病に対するAdalimumab療法の治療成績は良好であった。なおInfliximab治療歴の有無で治療成績に差は認めなかった。 |
索引用語 |
クローン病, Adalimumab |