セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)3

タイトル 消P-510:

当院におけるクローン病に対するadalimumabの使用成績

演者 丸山 悠里子(慶應義塾大・消化器内科)
共同演者 松岡 克善(慶應義塾大・消化器内科), 久松 理一(慶應義塾大・消化器内科), 長沼 誠(慶應義塾大・内視鏡センター), 佐藤 俊朗(慶應義塾大・消化器内科), 米野 和明(慶應義塾大・消化器内科), 高林 馨(慶應義塾大・消化器内科), 三上 洋平(慶應義塾大・消化器内科), 木村 佳代子(慶應義塾大・消化器内科), 水野 慎大(慶應義塾大・消化器内科), 三枝 慶一郎(慶應義塾大・消化器内科), 中里 圭宏(慶應義塾大・消化器内科), 南木 康作(慶應義塾大・消化器内科), 武下 達也(慶應義塾大・消化器内科), 井上 詠(慶應義塾大・内視鏡センター), 矢島 知治(慶應義塾大・消化器内科), 金井 隆典(慶應義塾大・消化器内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター), 岩男 泰(慶應義塾大・予防医療センター), 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科)
抄録 【目的】完全ヒト型抗TNF-α抗体製剤として、2010年10月よりadalimumab (ADA)がクローン病に対して保険認可された。しかし、従来用いられてきている抗TNF-α抗体製剤であるinfliximab (IFX)との使い分けは、これからの検討課題である。そこで本研究では、当院におけるadalimumabのクローン病に対する使用成績を検討することで、ADAのクローン病治療における位置づけを明らかとすることを目的とした。【方法】2010年10月より2012年2月までに当院でADAを開始したクローン病27例について、寛解導入および寛解維持における治療効果を検討した。【結果】27例のうち、IFXの投与歴のない症例(naive群)が8例(29.6%)、IFX二次無効例が13例(48.1%)、IFXに対するinfusion reaction例(IR群)が6例(22.2%)であった。寛解導入率を見てみると、naive群では87.5%であったのに対して、IFX二次無効群では46.2%、IR群では50.0%と低率であった。一方で、いずれの群においてもADAにて寛解導入ができた症例では70-80%程度の高い寛解維持率が得られていた。【結語】ADAはIFXの投与歴のない症例に対しては80%以上の高い寛解導入率を示したが、IFX二次無効例やIFXに対するIRを呈した症例において寛解導入率は50%と劣っていた。一方で、ADAで寛解導入が可能であった症例では、導入前の治療歴に関わらず80%近い症例で寛解維持が可能であった。以上の結果より、IFX naive症例に対してADAは有効であるが、IFX二次無効例に対するADAへの切り替えは慎重に行う必要があると考えられた。
索引用語 クローン病, adalimumab