セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(クローン病)3
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タイトル |
消P-511:クローン病患者に対するアダリムマブの長期使用成績
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演者 |
星野 美奈(獨協医大病院・消化器内科) |
共同演者 |
中野 正和(獨協医大病院・消化器内科), 富永 圭一(獨協医大病院・消化器内科), 菅家 一成(獨協医大病院・消化器内科), 平石 秀幸(獨協医大病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】アダリムマブ(ADA)のクローン病患者に対する長期(1年)使用成績からその有効性を検討すること。 【方法】クローン病患者にADAを初回160mg、2週後に80mg、以降隔週ごとに40mgを投与し各評価期間にCDAIを測定し有効性、安全性を検討した。対象は投与前に活動期(CDAI150以上)で、0週から52週までのCDAIが評価可能であった症例とした。またIFX治療歴(naïve/switch)、IFXからの変更理由(不応・不耐)、ED療法(達成/未達成)などの患者背景別に有効性を比較検討した。EDは1日摂取エネルギーの約半分である1200kcal/日を成分栄養で摂取することをhalf EDと定義し、half EDの80%以上達成をカットオフとした。【結果】ADA投与を行ったクローン病患者42例中評価が可能であった症例は14例だった。平均罹病期間131.6ヵ月、平均CRP1.82mg/dl、naïve 5例/switch 9例(不応4例、不耐5例)だった。ADA投与24週後、52週後の寛解率(CDAI150未満)は72%、50%だった。平均CDAIは0週から52週までの期間で有意な低下を示した(p<0.05)。naïve群の平均CDAI(0週-4週-24週-52週)は254-133-132-128、switch群では235-131-145-156でありnaïve群でより良好なCDAIの推移を示した。IFXからの変更理由別のCDAI推移は、不耐群はnaïve群と同等の推移を示したのに対し、不応群では不安定な推移を示した。さらにIFX治療歴(naïve群・不応群・不耐群)別とhalf ED 80%以上の達成状況でみたCDAIの推移では、IFX不応例でもhalf ED 80%以上達成している症例は、安定したCDAIの推移を示す傾向を認めた。特筆すべき有害事象は認めなかった。【結論】活動期クローン病において、ADAは長期にわたり有効性を発揮し忍容性も良好だった。活動性のコントロールが困難なIFX不応例でEDを積極的に併用することで、活動性をコントロールしうる可能性が示唆された。 |
索引用語 |
アダリムマブ, 栄養療法 |