セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)3

タイトル 消P-512:

Crohn’s病に対するadalimumabによる治療経験

演者 峯 宏昌(近畿大・消化器内科)
共同演者 足立 哲平(近畿大・消化器内科), 大本 俊介(近畿大・消化器内科), 高山 政樹(近畿大・消化器内科), 永田 嘉昭(近畿大・消化器内科), 永井 知行(近畿大・消化器内科), 川崎 正憲(近畿大・消化器内科), 朝隈 豊(近畿大・消化器内科), 櫻井 俊治(近畿大・消化器内科), 松井 繁長(近畿大・消化器内科), 樫田 博史(近畿大・消化器内科), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科)
抄録 【目的】抗TNF-α抗体製剤により、Crohn’s病(CD)の治療目標は、臨床的寛解のみならず粘膜治癒(mucosal healing)も含めた完全寛解(deep remission)が治療目標へと変化しつつある。今回我々は、CDに対するAdalimumab(ADA)治療によるMHについて検討を行った。【対象と方法】 当院で、2011年1月から2012年2月までADAを投与した10例を対象として、ADA投与前後の臨床症状、検査値、内視鏡像などを比較検討した。【成績】男性6名、女性4名、平均年齢は38.6歳(29-45)で、平均病脳期間は13年4ヶ月(3年-26年9ヶ月)であった。病型は小腸型が2名、大腸型が3名、小腸大腸型が5名で、うち、生物学的製剤の使用歴がない患者は2名であった。小腸内視鏡をADA投与開始前と治療後6ヶ月に実施可能であった4例を検討対象とした。【結果】10例のほとんどで臨床症状および血液検査に改善を認めた。また小腸内視鏡を施行できた4例全例で、ADA投与前の内視鏡所見から治療後6ヶ月後の内視鏡所見が改善ないし維持されており、CDAIも中央値153から24への改善を認めた。特に、前治療にInfliximab(IFX)投与歴のない1例において、明らかなMHを確認することができた。【考察】 ADAは、CDのMHに有用であり、特に、IFX投与歴のない生物学的製剤のnaive症例において、高率なMHが期待できる可能性が示唆された。今後、検討症例数を増やし、長期のフォローアップを行うことにより、ADAのMH、deep remissionについてさらなる検討が必要であると考えられた。
索引用語 クローン病, アダリムマブ