共同演者 |
生方 聡史(済生会中津病院・消化器内科), 山下 博司(済生会中津病院・消化器内科), 古賀 英彬(済生会中津病院・消化器内科), 田中 敏夫(済生会中津病院・消化器内科), 仙田 花実(済生会中津病院・消化器内科), 長谷 善明(済生会中津病院・消化器内科), 江口 考明(済生会中津病院・消化器内科), 上田 綾(済生会中津病院・消化器内科), 川口 真平(済生会中津病院・消化器内科), 大橋 理奈(済生会中津病院・消化器内科), 伊藤 大(済生会中津病院・消化器内科), 蘆田 潔(済生会中津病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】Crohn’s病(CD)治療の中心は生物学的製剤であるがinfusion reduction等のため維持投与せざるを得ず不応となればそれ以上の治療選択肢が少ない。GMAは免疫調節がmildでCDには効果が弱いとの意見が多いがステロイド,生物学的製剤非投与の内視鏡的に軽微なCDに対する効果をintensive法で検討した。【方法】対象は2009年~2011年にステロイド,生物学的製剤非投与で平均年齢40.6歳,男女比8:2,平均CDAI276.6,平均罹患期間18.6ヶ月,初発7例再燃3例,大腸型5例小腸大腸型3例小腸型2例,平均CRP3.06(mg/dl),内視鏡像は平均Simple endoscopic score of Crohn’s disease(SES-CD)9.4の活動期CD10例である。これらにazathiprineを併用し(25mg8例,50mg2例)intensive GMA(2回/週×5週)を行った。ステロイド,生物学的製剤併用は禁止し治療前,期間中に内視鏡的拡張術を行った症例は除外した。CDAI150以下を寛解導入と定義し治療開始2,4,6(GMA終了1週後)週後の寛解導入率を算出し平均CRP値の変動を評価した。治療開始6週後(GMA終了1週後)に内視鏡を行い平均SES-CDを評価した。【結果】治療開始2週後の寛解導入率30%(3/10例),4週後80%(8/10例),6週後90%(9/10例)であった。平均CRPは(GMA前→2週後→4週後→6週後)で(3.06→0.20→0.12→0.11)(mg/dl)であった。平均SES-CDは(GMA前→6週後)で(9.4→3.8)であった。重篤な副作用は認めなかった。【結論】GMAはintensiveで生物学的製剤投与する前段階の早期CDならば88.9%で寛解導入し内視鏡像の改善も認めた。免疫調節がmildで副作用が少ないGMAはステロイド,生物学的製剤開始前の早期CDに対して有効であり,CDに対してはこの病期に行われるべきと考えている。 |