セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(クローン病)4 |
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タイトル | 消P-516:症例背景におけるCrohn病患者に対する顆粒球単球吸着療法の予後予測因子の検討 |
演者 | 上小鶴 孝二(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
共同演者 | 福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 横山 陽子(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河合 幹夫(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 野上 晃司(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河野 友彰(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 小川 智広(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 佐藤 寿之(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 三輪 洋人(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 松本 誉之(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
抄録 | 【目的】Crohn病(CD)に対して顆粒球単球吸着療法(GMA)が大腸病変を主体とするCDに対して保険適応となり、難治性CDに対して施行されている。当院の検討で生物学的製剤抵抗性の症例に対しても効果があるが、どのような症例に対して効果があるかの判断を施行前に予測することは難しい。今回我々は当院でCD患者に対してGMAを施行した症例の背景をretrospectiveに検討することにより、どのような症例にGMAで効果があるかを調べた。 【方法】CD患者21症例に1回/週でGMAを1800mlの処理で施行し臨床的評価をclinical disease activity index (CDAI)で、評価し、1クール終了時にCDAIが70点以上低下した症例を有効群とした。症例の背景として、性別、年齢、罹病期間、病型、体重、内視鏡所見、エレンタール量、CDAI、生物学精製剤の有無、開始時のWBC、CRP、ALBの各項目で改善群と無効群で評価した。【成績】GMAを施行した21症例中11症例が改善を示した。検討した各項目で有効群が50.3±6.87Kg 、無効群が57.8±7.54Kgで有効群のほうが有意に軽い体重であった。また、CDAIは、有効群で323.3±78.8点、無効群で210.3±130.9点と有効群が有意に高い値を示した。その他の症例背景で有効群と無効群とで有意な差を認めた項目はなかった。【結論】CDの治療は抗TNF-α療法により寛解導入、維持が行いやすくなったが、治療抵抗症例や副作用により使用が困難のため治療に難渋する症例も少なくない。GMAは安全に使用できることもあり、そのような症例に対しても有用であると思われる。今回の検討で体重が軽い症例とCDAIが高い症例でGMAが有効であることがわかった。有効群で体重が有意に軽かったのは処理量が一定であることも関係しているかもしれないと考える。また有効群のCDAIが有意に高かったことにより、重症例であってもGMAが有効である可能性が示唆された。 |
索引用語 | クローン病, 顆粒球単球吸着療法 |