セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)4

タイトル 消P-517:

クローン病の栄養療法に対する患者の意識と問題点の検討

演者 松林 真央(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター)
共同演者 山本 壽恵(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 小椋 千沙(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木下 裕人(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 佐々木 智彦(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 松田 玲圭(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 中戸川 満智子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 村田 依子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 藤澤 信隆(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 芝田 渉(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 勅使川原 晴佳(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 中園 美紗子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 野田 龍一(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 游 昌子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木村 英明(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 国崎 玲子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 前田 愼(横浜市立大・消化器内科)
抄録 【背景】栄養療法は小児や小腸病変に特に有効とされ,本邦や欧州を中心に行われている.しかし,特有の味や臭い,摂取の煩雑さなどの問題点も多く,継続するために患者の理解と努力が不可欠である.【目的】CD患者の栄養療法に対する意識と問題点を明らかにし,栄養療法を継続するための支援に繋がる示唆を得る.【対象と方法】対象は当院外来通院中のCD患者106名.栄養療法に関する理解と意識に関するアンケート調査を匿名で実施,解析を行った.【結果】栄養療法施行66%,未施行34%,摂取量:1日900kcal以上:25%,600~900 kcal:33%,300~600kcal:39%.栄養療法を施行している理由は,再燃を予防できる(76%),栄養療法の機序を理解している(51%),副作用がなく安全(42%),効果が実感できる(40%)など,前向きな意見が多数を占めた.また,入退院(57%)や手術(51%)を避け,仕事や学校に行きたい(30%)ためと,必要性に駆られ施行しているという意見,単に栄養補給(67%)や食事の代替(45%)と捉える回答も多かった.一方,栄養療法を施行しない理由は,主治医から指示されていない(33%),薬物治療(33%)や食事療法(33%)で十分コントロールできているという意見と,味(36%)や臭い(23%)が苦手,作成が煩雑(26%),量が多い(26%)など,栄養剤特有の問題が挙げられた.【考察】栄養療法を行っている患者の多くが,治療の有効性・安全性を理解し,前向きに治療に取り組み,社会復帰するために必要な治療と理解していた.栄養療法を行っていない患者の多くは,栄養療法を必要としない症例か,栄養剤の風味や煩雑さを理由として挙げており,今後これらの問題が解決され,患者が栄養療法の利点を適切に理解できていれば,栄養療法の継続は十分可能と思われた.
索引用語 クローン病, 栄養療法