セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(クローン病)4

タイトル 消P-518:

クローン病患者の食事の作り手の意識と問題点の検討~アンケート調査から~

演者 村田 依子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER茅ヶ崎市立病院・消化器内科)
共同演者 山本 壽恵(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 小椋 千沙(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木下 裕人(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 佐々木 智彦(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 松林 真央(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 松田 玲圭(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 中戸川 満智子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 藤澤 信隆(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 芝田 渉(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木村 英明(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 清水 香織(横浜市立大市民総合医療センター・栄養部), 松岡 朋子(横浜市立大市民総合医療センター・栄養部), 守屋 隆(横浜市立大市民総合医療センター・栄養部), 国崎 玲子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 前田 愼(横浜市立大・消化器内科)
抄録 【背景と目的】クローン病(CD)の食事療法は,食事の作り手に物理・心理的負担となる可能性がある.CD患者の食事の作り手の,食事療法に対する意識と問題点を明らかにし,臨床的支援の必要性を検討する.【対象と方法】当院外来通院中のCD患者の食事の作り手53名を対象に,食事療法に関する理解と意識に関するアンケート調査を匿名で実施,解析を行った.【結果】作り手の背景;母親59%,配偶者35%(女性96%). 92%が自分はCDに適する食事を正しく理解していると回答し,全例が食事の支度が大変になったと回答した.作り手が初めて食事療法を指導された際,大変そうで(64%)続けられるか心配になった(62%)が,それでも何とか自分にできそうだと感じ(62%),69%が1年以内にCD食作りに慣れたと回答した.自分の作った食事に関し,患者の食事が必要以上に心配で(60%)患者の体調不良時には食事がいけなかったのではと心配する(75%)が,普段の自分の作った食事で患者の疾患コントロールができており(65%),今後もCD食作りは続けられる(82%)と思うなど,自信と達成感を持ち食事療法に取り組む回答が多かった.患者が食事療法を守れない時,作り手の多くは患者の病状を心配(36%)し不安になる(32%)が,仕方ないと割り切り(23%)食事は患者に任せる(13%)など,一定の距離を持ちながら食事療法に関っていた. 【結論】CD患者の食事療法では,食事の作り手の負担が増えるが,短期間でCD食作りに慣れ,自信と達成感を持ち継続も可能と回答する例が多かった.多くの作り手が食を介して患者の病状を心配する一方で最終的には患者の主体性に任せ,一定の距離と緩みを持ちながら上手に食事作りに取り組めていると思われた.
索引用語 クローン病, 食事療法