セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(クローン病)4 |
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タイトル | 消P-519:クローン病の発病前後における食事変遷と食事療法における問題点~アンケート調査から~ |
演者 | 松林 真央(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター) |
共同演者 | 山本 壽恵(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 小椋 千沙(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木下 裕人(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 佐々木 智彦(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 松田 玲圭(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 中戸川 満智子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 村田 依子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 藤澤 信隆(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 芝田 渉(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木村 英明(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 清水 香織(横浜市立大市民総合医療センター・栄養部), 松岡 朋子(横浜市立大市民総合医療センター・栄養部), 守屋 隆(横浜市立大市民総合医療センター・栄養部), 国崎 玲子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 前田 愼(横浜市立大・消化器内科) |
抄録 | 【背景】本邦ではクローン病(CD)患者に対して食事療法が行われるが,制限により患者がストレスを感じるケースもある.CDの発症前後で,患者の食習慣がどのように変化し食事療法の工夫をしているか,食事療法が実際の病勢に影響が与えるかという情報を提供できれば,患者に将来的な見通しを与えることが可能になると考えられる.【目的】クローン病発症前後での食事の変遷と,食事療法と患者の自覚的な腸炎症状との相関の有無を検討する.【対象と方法】対象は当院外来通院中のCD患者106名.疾患の発症前後で60品目の食品の摂取頻度と,発症後の食事と腸炎症状との関連についてのアンケート調査を匿名で実施,解析を行った.【結果】90%の患者が,発症後の食事に何らか変化があったと回答した.具体的に,発症前は肉類,揚げ物,ラーメンなどを多く摂取していたとする回答が多く,発症後はそれらを避けた食事療法に取り組む一方,代わりに摂取するようになった食品は少なく,食事全般を強く制限している状況が推測された.また,患者自身が摂取を制限している多くの食品で,実際に摂取しても腸炎の悪化を感じたことがないと回答も多く,制限している食事と実際の病勢への影響には乖離があると思われた.さらに腸炎悪化の要因として,揚げ物など調理法や,一度に沢山食べる,体調が下降しているときに食事を続けるなど,食事の摂り方を挙げる回答が多かった.【考察】特定の食品を食べて良いかを心配する患者は多いが,個々の食品の良し悪しだけでなく,食べ方に対する配慮も必要と考えられた.上記の結果から,食事療法に一定の緩みを持たせ,過度な食事制限による患者と家族のストレスを回避する指導が可能になると考えられた. |
索引用語 | クローン病, 食事療法 |