セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(クローン病)5 |
---|---|
タイトル | 消P-521:当院におけるIBD患者の妊娠・出産に関する意識調査 |
演者 | 村田 依子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センターDELIMITER茅ヶ崎市立病院・消化器内科) |
共同演者 | 国崎 玲子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 山本 壽恵(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木下 裕人(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 佐々木 智彦(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 松田 玲圭(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 中戸川 満智子(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 松林 真央(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 藤澤 信隆(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 芝田 渉(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 木村 英明(横浜市立大市民総合医療センター・炎症性腸疾患センター), 幡野 一帆(横浜市立大市民総合医療センター・看護部), 里村 明菜(横浜市立大市民総合医療センター・看護部), 田中 千春(横浜市立大市民総合医療センター・看護部), 長野 麻由子(横浜市立大市民総合医療センター・看護部), 大沼 教子(横浜市立大市民総合医療センター・看護部), 前田 愼(横浜市立大・消化器内科) |
抄録 | 【背景】IBDは若年者に好発し,妊娠・出産を経験する患者も増えている.IBDは疾患が良好に管理されていれば多くが問題なく出産が可能であるが,本邦におけるIBD合併妊娠のデータは少なく,医療者・患者とも妊娠中不安を抱えながら経過することも少なくない.【目的】IBD合併妊娠患者が妊娠・出産に関して抱える不安を明らかにし,臨床的支援につながる示唆を得る. 【対象と方法】過去5年以内に妊娠出産歴のあるIBD患者35名を対象に,妊娠出産に関する思いや支援についてのアンケート調査を匿名で実施,解析を行った.【結果】35名に配布,有効回答31名(UC16名,CD15名).全員が妊娠・出産に関して何らかの不安を感じていたと回答した.不安の内容は,病気を抱えながら妊娠・出産が可能か(65%),薬の催奇形性(58%)と授乳への影響(74%)が多く,遺伝に関する不安は比較的少なかった.不安は患者の疾患活動性を問わず聞かれ,患者が治療薬について知識があり(65%),服薬の必要性を理解していて(58%)も,催奇形性を危惧(65%)していた.出産後はほぼ全員が,IBDでも問題なく妊娠・出産が可能だと思い(97%),そのためには自分の健康に留意し(74%)計画的に妊娠することが必要で(58%),出産の大変さは健常人と変わらない(42%)と回答した.妊娠・出産中の支えとして,家族(90%)と医療者の支え(77%)を挙げる患者が多く,特に医療者からの患者の体調への気遣い,正しい知識の提供が励みになったと回答していた.【結語】IBD合併妊娠患者は,知識や前向きな気持ちもあるが,薬の催奇形性や安全な出産への不安が強い.患者にとって医療者の配慮が大きな支援になっていることから,医療者が密に協力した適切な支援体制が肝要であると考えられた. |
索引用語 | 炎症性腸疾患, 妊娠・出産 |