セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(クローン病)5
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タイトル |
消P-522:クローン病患者における腸管切除手術が胆石合併に及ぼす影響
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演者 |
小野 陽平(今村病院・消化器内科DELIMITER鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 |
大井 秀久(今村病院・消化器内科), 水流 弘文(今村病院・消化器内科), 徳元 攻(今村病院・消化器内科), 藤田 浩(今村病院・消化器内科DELIMITER鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 河野 裕一(今村病院・消化器内科), 嵜山 敏男(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学), 坪内 博仁(鹿児島大・消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 |
【はじめに】クローン病(CD)は経過中に,狭窄,瘻孔などの腸管合併症以外に,胆石,腎結石,アミロイドーシスなどの腸管外合併症をきたすことがある.その中で胆石は頻度の高い合併症であり,術後により多く見られるとされている.今回,当院におけるCD手術,特に回盲部切除が胆石合併に及ぼす影響を検討した.【方法】当院で加療中のCD症例135例を対象とした.1)胆石合併症例と非合併症例で,発症年齢,罹病期間,病型(小腸型,小腸大腸型,大腸型)を比較検討した.2)胆石合併症例を腸管切除歴の有無でわけて,同様に検討した.3)CD手術症例を,術後胆石を合併した群としなかった群にわけて,同様に検討した.さらに切除部位が回盲部を含む群と含まない群にわけて,術後胆石を合併した割合を比較検討した.尚,術前に胆石を発症していた群は非手術群に分類し,胆石発症群の罹病期間は胆石発見時までの期間とした.【成績】1)CD135例中,胆石合併例は36例,非合併例は99例であった.胆石合併例/非合併例の発症年齢,罹病期間,病型に有意差は認めなかった.2)胆石合併症例36例中,腸管切除歴があるのは19例,腸管切除歴が無いのは17例であった.腸管切除歴あり群/無し群の発症年齢,罹病期間,病型に有意差は認めなかった.3)CD手術例74例中,術後の胆石合併例は19例,非合併例は55例であった.術後胆石合併例/非合併例の発症年齢,罹病期間,病型に有意差は認めなかった.切除部位に関しては,回盲部を含めた切除例が54例,回盲部非切除例が20例であった.回盲部切除例では54例中18例で術後胆石を合併したのに対して,回盲部非切除例で術後胆石を発症したのは20例中1例のみであり,有意差を認めた(P<0.05).【結論】CDに対する腸管切除において,回盲部を切除する場合には術後に胆石を合併する可能性を考慮する必要があると考えられた. |
索引用語 |
クローン病, 胆石 |