セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(クローン病)5 |
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タイトル | 消P-525:Crohn病患者におけるMICB promoter領域の一塩基多型の検討 |
演者 | 大崎 理英(滋賀医大・消化器内科) |
共同演者 | 山本 和雄(社会保険滋賀病院・内科), 伴 宏充(滋賀医大・消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医大・消化器内科), 今枝 広丞(滋賀医大・消化器内科), 佐々木 雅也(滋賀医大・栄養治療部), 齋藤 康晴(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 辻川 知之(滋賀医大・総合内科), 安藤 朗(滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫)), 藤山 佳秀(滋賀医大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】近年Crohn病は生物学的製剤の出現により寛解を維持する症例が増えてきている。一方で、生物学的製剤への抗体出現などにより治療効果が減弱し、治療に難渋する例も少なくない。major histocmpatibility complex(MHC) class I‐ related chain B(MICB)は、ストレス状態下でNatural killer(NK)細胞を活性化する非古典的MHC分子の一種である。我々は活性酸素のストレスにより大腸癌細胞株でMICA/B遺伝子の発現が高まることを報告している。MICBの受容体であるnatural killer group 2 member D (NKG2D)は、その活性がCrohn病に関与すると報告がある。今回MICBの発現に関与の可能性がある、MICB promoter領域の一塩基多型(SNP)をCrohn病で検討した。 【方法】滋賀医科大学付属病院消化器内科通院中のCrohn病患者128名を対象とし、MICB promoter領域のSNP(rs3828913)をTaqMan PCR法にて解析した。合わせて、血液データ、治療経過、罹病期間なども検討した。 【結果】rs3828913のminor alleleの有無で、おもな薬剤の使用に差はなかった。しかし生物学的製剤を使用は、効果減弱などで多剤への変更等をしたものが有意に多かった(P<0.05)。 【結論】MICB promoter領域SNP(rs3828913)のminor alleleを有するCrohn病患者では、生物学的製剤の効果減弱や抗体産生が起きる傾向にあり、治療に難渋する傾向があった。NKG2Dは小腸粘膜固有層のNK細胞に発現が報告されており、そのregandであるMICBの働きがrs3828913のminor alleleの存在で通常と異なるため、生物学的製剤の効果発現に影響している可能性が考えられた。 |
索引用語 | Crohn病, MICB |