セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)1

タイトル 消P-526:

高齢者潰瘍性大腸炎の臨床的検討:長期経過を経て高齢に達した症例と高齢発症とでは違いがあるか?

演者 松本 吏弘(自治医大さいたま医療センター・消化器科)
共同演者 大竹 はるか(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 吉川 修平(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 上原 健志(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 新藤 雄司(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 池田 正俊(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 東海 浩一(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 牛丸 信也(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 浅野 岳晴(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 高松 徹(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 岩城 孝明(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 福西 昌徳(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 鷺原 規喜(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 浅部 伸一(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 宮谷 博幸(自治医大さいたま医療センター・消化器科), 吉田 行雄(自治医大さいたま医療センター・消化器科)
抄録 【目的】 高齢者潰瘍性大腸炎(以下UC)は,高齢発症した症例と長期経過を経て高齢に達した症例に区分される.今回,我々は高齢者UCを上記の2群に分けて,臨床的特徴および臨床経過の差異について検討を行った.【方法】当科にて経過観察中のUC症例を対象とし,高齢者USを下記2群に区分した.長期経過群:発症年齢が50歳未満であり,研究時の年齢が60歳以上である6例.高齢発症群:発症年齢が60-64歳である12例.長期経過群は60歳時を観察開始日として設定し,これら2群において,背景因子,治療内容および臨床経過について解析評価を行った.【成績】発症時年齢は,長期経過群38±8歳,高齢発症群62±1歳,観察期間は長期経過群5.7±4.7年,高齢発症群8.3±5.2年であった.5-ASAもしくはSASPの内服既往は,長期経過群5例(83.3%),高齢発症群では12例(100%),Azathioprineもしくは6-MPの内服既往はともに33.3%であった.増悪時ステロイドの使用は,長期経過群でなかったのに対して高齢発症群では7例(58.3%)に認めた,PSL依存・抵抗性は高齢発症群では2例(16.7%)であった.長期経過群では,病状増悪による入院およびUC増悪による手術に至った症例を認めなかったが,高齢発症群ではそれぞれ3例(25.0%),2例(16.7%)にみられた.両群ともに大腸癌発症例はなかった.【結論】高齢発症した症例と長期経過を経て高齢に達した症例とでは,臨床経過において違いがみられた.長期経過を経て高齢に達した症例では,炎症が沈静化する傾向にあり,大腸癌の発生に注意を要する.一方,高齢発症した症例では若年発症と同様の治療内容を要した.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 高齢者