セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)1 |
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タイトル | 消P-527:炎症性腸疾患の静脈血栓症発症頻度とその危険因子に関する検討 |
演者 | 安藤 勝祥(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科) |
共同演者 | 稲場 勇平(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 伊藤 貴博(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 坂谷 慧(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 堂腰 達矢(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 田中 一之(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 野村 好紀(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 上野 伸展(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 嘉島 伸(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 富永 素矢(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 盛一 健太郎(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 岡本 耕太郎(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 田邊 裕貴(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 藤谷 幹浩(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 高後 裕(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科) |
抄録 | 【背景】血栓症は炎症性腸疾患患者の1~7.7%に合併し、生命予後を左右する合併症である。しかし、本邦での血栓症合併の頻度・危険因子は十分に明らかにされていない。 【目的】炎症性腸疾患患者における静脈血栓症発症頻度とその危険因子を明らかにする。 【対象】2009年1月から2011年12月まで当科に入院した消化管疾患患者全896人を対象とした。対象例のうち、炎症性腸疾患患者196人(潰瘍性大腸炎 (UC)53人、クローン病 (CD)143人)、消化管癌273人、その他430人であった。各疾患における血栓症発症の頻度およびその危険因子についてretrospectiveに検討した。 【結果】1)炎症性腸疾患患者での静脈血栓症の発症頻度は15/196人(7.7%)で、消化管癌患者 8/273人(2.9%)、他の消化管疾患 5/430人(1.1%)に比較して、有意に高かった。2) UCでは10/53人(17.3%)、CDでは5/143人(3.4%)と、静脈血栓症はCDに比較してUCに有意に多く発生していた。3)UCでは下肢深部静脈血栓症(1/10人)・カテーテル血栓症(4/10人)の他、脳静脈洞血栓症(2/10人)、門脈血栓症(3/10人)の合併を認めた。4)UC患者での静脈血栓症発症の危険因子に関する検討では、非発症群と比較して、中心静脈カテーテル留置・大腸全摘後の患者、アルブミン低値・CRP高値・Dダイマー高値の患者に有意に多く静脈血栓症が発生していた。 【まとめ】炎症性腸疾患患者における静脈血栓症合併の頻度は他の消化管疾患よりも高く、重篤な臓器障害を招く可能性のある合併症としての認識が必要である。この結果をもとに、多施設での前向き研究が望まれる。 |
索引用語 | 静脈血栓症, 炎症性腸疾患 |