セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)1 |
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タイトル | 消P-529:潰瘍性大腸炎における薬物代謝機能変動による薬物治療への影響 |
演者 | 古川 直樹(神戸薬科大・医療薬学) |
共同演者 | 河内 正二(神戸薬科大・医療薬学), 三木 生也(神戸薬科大・医療薬学DELIMITER神戸大・消化器内科), 棚橋 俊仁(神戸薬科大・医療薬学DELIMITER神戸大・消化器内科), 近藤 靖之(神戸薬科大・医療薬学DELIMITER神戸大・消化器内科), 井上 潤(神戸薬科大・医療薬学DELIMITER神戸大・消化器内科), 上野 佳(神戸薬科大・医療薬学), 室井 綾香(神戸薬科大・医療薬学), 水野 成人(神戸薬科大・医療薬学) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎は消化管以外に全身性の合併症を伴うことも多く、そのひとつに肝胆膵系の疾患が知られている。薬物代謝に関与する酵素やトランスポーターは消化管と肝臓に多く存在しているため、これらの機能変動による薬物治療への影響が懸念される。そこで我々は、潰瘍性大腸炎モデル動物を使用し、薬物代謝過程の中心的役割を担うチトクロムP450(CYP)3AおよびP-糖蛋白質(P-gp)の機能的変化を明らかにする目的で検討を行った。【方法】7週齢C57BL/6J雄性マウスを対照群とデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)群に分け、前者には滅菌水、後者には5%DSSを7日間自由に飲水させた。DSSによる潰瘍性大腸炎の誘発は、体重減少、便の性状、MPO活性、大腸の長さおよびHE染色による病理組織像により評価した。滅菌水又はDSS飲水開始7日後に解剖を行い、大腸、肝臓および小腸を摘出した。小腸は幽門部より盲腸までを3等分し、それぞれ上部、中部および下部とした。各組織よりRNAを抽出し、real-time RT-PCR法を用いてTNF-α、IL-1β、IL-6、COX-2、iNOS、Cyp3a11およびMdr1aのmRNA発現量を対照群とDSS群で比較した。【成績】DSS群では、体重減少、下痢、血便、大腸の短縮、潰瘍および大腸粘膜への炎症性細胞の浸潤等が観察された。また、大腸においてTNF-α等の炎症性メディエーターのmRNA発現量が有意に上昇していた。これより、DSS投与による潰瘍性大腸炎の病態モデルが構築できたと判断した。DSS群では、肝臓においてIL-1β、IL-6、COX-2およびiNOSのmRNA発現量の上昇、小腸上部および中部では、iNOSのmRNA発現量の上昇が認められた。一方、肝臓および小腸上部におけるCyp3a11、Mdr1aのmRNA発現量は有意に低下し、小腸中部ではCyp3a11のmRNA発現量のみが低下していることが明らかとなった。【結論】潰瘍性大腸炎では、肝臓および小腸で薬物代謝機能の低下が生じ、当該疾患の薬物治療に影響を及ぼす可能性が示唆される。 |
索引用語 | DSS大腸炎, 薬物代謝酵素 |