セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)1

タイトル 消P-530:

IBDの再燃,予後とClostridium difficileとの関連

演者 水野 真理(愛知医大・消化器内科)
共同演者 佐々木 誠人(愛知医大・消化器内科), 高田 真由子(愛知医大・消化器内科), 新村 哲也(愛知医大・消化器内科), 小松原 利典(愛知医大・消化器内科), 岡庭 紀子(愛知医大・消化器内科), 田邉 敦資(愛知医大・消化器内科), 野田 久嗣(愛知医大・消化器内科), 田村 泰弘(愛知医大・消化器内科), 近藤 好博(愛知医大・消化器内科), 伊藤 義紹(愛知医大・消化器内科), 増井 竜太(愛知医大・消化器内科), 井澤 晋也(愛知医大・消化器内科), 土方 康孝(愛知医大・消化器内科), 徳留 健太郎(愛知医大・消化器内科), 河村 直彦(愛知医大・消化器内科), 飯田 章人(愛知医大・消化器内科), 小笠原 尚高(愛知医大・消化器内科), 舟木 康(愛知医大・消化器内科), 春日井 邦夫(愛知医大・消化器内科)
抄録 【目的】欧米においては,炎症性腸疾患(IBD)におけるClostridium difficile(C. difficile)感染症の増加や予後への関与が指摘されている.そこで,当院のIBD患者におけるC difficileの陽性率の推移ならびに再燃,予後との関連につき検討した. 【対象・方法】対象は2006年1月から2011年12月に当院で治療を受けたIBD患者で,C. difficile陽性率の経年的変化を検討した.また,再燃のために入院し3日以内にC. difficile感染の診断を行った49名(男:女=27:22,平均年齢:39.6歳)を対象にC. difficile陽性群と陰性群の背景・予後につき検討した.陽性群に関しては治療と予後との関連について検討した.また,バイナリートキシン(毒性の強い菌株)の有無についても調査した.【結果】5年間のIBDにおけるC. difficile陽性率は17%で明らかな経年的変化(増加)は見られなかった.また,バイナリートキシン陽性株は認めなかった.再燃入院患者のC. difficile陽性者は9名,陰性者は40名で,両群間に年齢,性別,IBD罹患期間,再燃前治療(5-ASA,PSL,免疫調節薬,抗生剤)に差を認めなかった.C. difficile陽性者のうち7例にバンコマイシンが投与され,2例は既存の治療のみで治療であった.予後不良(手術)は5例あり,単変量解析の結果,C difficile感染のみが予後不良の危険因子で(P=0.01),バンコマイシン投与の有無は予後に影響しなかった. 【結語】IBD再燃時におけるC. difficile感染は予後を左右する可能性があり,症例の蓄積による検討が必要と思われた.
索引用語 IBD, Clostridium difficile