セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)1 |
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タイトル | 消P-531:潰瘍性大腸炎における将来の入院リスク予測因子の検討 |
演者 | 久野 徹(山梨県立中央病院・消化器内科) |
共同演者 | 小嶋 裕一郎(山梨県立中央病院・消化器内科), 望月 仁(山梨県立中央病院・消化器内科), 川上 智(山梨県立中央病院・消化器内科), 深澤 佳満(山梨県立中央病院・消化器内科), 岩本 史光(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 純穂(山梨県立中央病院・消化器内科), 津久井 雄也(山梨県立中央病院・消化器内科), 細田 健司(山梨県立中央病院・消化器内科), 鈴木 洋司(山梨県立中央病院・消化器内科), 星野 裕治(山梨県立中央病院・消化器内科), 廣瀬 雄一(山梨県立中央病院・消化器内科), 小俣 政男(山梨県立中央病院・消化器内科) |
抄録 | 【背景・目的】潰瘍性大腸炎(以下UC)患者の生命予後は一般と変わりないことが知られている。一方そのQOLは発症時、ことに入院の必要性の有無により大きく左右される。今回、発症時の症状及び内視鏡等が、将来の入院の必要有無を推定しうるか検討を加えた。【方法】2004年に設立した当院の炎症性腸疾患(以下IBD)外来に継続通院している139例を対象に入院の有無及びそれまでの期間に関して、初診時の年齢・性別・厚生労働省の臨床的重症度・内視鏡的重傷度(Matts Score)・病変範囲(直腸炎型、左側結腸炎型、全結腸炎型)を用いて検討を行った。臨床的重症度はモントリオール分類を使用した。入院に寄与する因子に関して単変量解析・多変量解析を行った。【結果】全入院率は、5年で37%、10年で50%、20年で58%であった。年齢・性別では入院率に差は認めなかった。臨床的重症度では軽症と中等症、軽症と重症の間にそれぞれ有意差を認めた(p<0.001, p<0.01)。内視鏡的重症度分類ではMatts Score 2と3の間で有意差を認めた(p<0.001)。病変範囲では、全結腸炎型が最も入院率が高く(10年で72%)、直腸炎型は最も入院率が低く(10年で26%)、左側結腸炎型は中間(10年で57%)であった。これらそれぞれの因子の単変量解析では、臨床的重症度・内視鏡的重症度・病変範囲に有意差を認めたが、多変量解析では、病変範囲、即ち全大腸鏡検査による評価のみが将来の入院加療の必要性を予測する有意な因子であった(p<0.001)。【結論】UC患者の将来の入院リスクの予測につき、発症時の病変範囲が有用な予測因子であることが示された。即ち、全結腸炎型は10年で72%、一方直腸炎型はわずか26%であった。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 入院リスク |