セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)2

タイトル 消P-532:

当院における高齢発症潰瘍性大腸炎患者の特徴

演者 網仲 真理(社会保険船橋中央病院・内科)
共同演者 加藤 佳瑞紀(社会保険船橋中央病院・内科), 喜多 絵美里(社会保険船橋中央病院・内科), 沖元 謙一郎(社会保険船橋中央病院・内科), 鶴田 晋佑(社会保険船橋中央病院・内科), 白井 嘉彦(社会保険船橋中央病院・内科), 土屋 慎(社会保険船橋中央病院・内科), 笠貫 順二(社会保険船橋中央病院・内科), 野村 悟(社会保険船橋中央病院・外科), 志田 崇(社会保険船橋中央病院・外科), 小笠原 猛(社会保険船橋中央病院・外科), 大塚 恭寛(社会保険船橋中央病院・外科), 高橋 誠(社会保険船橋中央病院・外科), 木村 道雄(社会保険船橋中央病院・内科)
抄録 当院における高齢発症の潰瘍性大腸炎患者の特徴についてretrospectiveに検討を行った。【方法】平成3年4月から平成24年2月までに潰瘍性大腸炎の診断で加療された患者165人のうち発症年齢が60歳以上の症例18人について検討を行った。平均観察期間は6.1年であった。【結果】発症平均年齢は66.9歳で性比は男性61%,女性33%であった。病型分類は直腸炎型が17%,左側大腸炎型が33%,全大腸炎型が39%であった。初診時の症状は下痢52%,血便28%と典型的なものが多かった。臨床経過では初回発作型が50%であった。初診時軽症例が44.4%,中等症例が31.3%,重症例が22.2%であったが、加療後の重症度は軽症例が93.8%と大半を占めていた。死亡例は2例でいずれもステロイド投与中の感染が契機であった。悪性疾患を併発した症例は3例あった。半数の症例は入院加療を経験していた。5-ASA製剤の内服は83.3%の患者で行われており最も多く,寛解導入にステロイドが使用された症例は38.9%あった。顆粒球除去療法は入院例の66.7%に施行されていた。重症化による手術例はなかった。5-ASA製剤による肝障害が2例に出現した。基礎疾患を有している症例は99.4%と高率であった。腸管外合併症は4例に認められた。大腸癌が1例,大腸腺腫症が6例に認められた。【考察】今回の検討では 1.性比は2:1と男性例が多い 2.病型は全大腸炎型と左側結腸炎型が大半で直腸炎型が少ない 3.再燃寛解型が少なく初回発作型が多い 4.経過中の死亡率は11.1%で感染症に起因する 5.加齢とともに炎症が沈静化する傾向があり外来で加療している症例は軽症例がほとんどである 6.基礎疾患を有する症例が多い ということが示唆された。高齢者は基礎疾患を有することが多く容易に易感染状態となり重篤な感染を合併し得る。軽症例が多いが死亡率も高いため全身状態の管理などきめ細かい対応が必要である。
索引用語 潰瘍性大腸炎, 高齢発症