セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)2

タイトル 消P-537:

Colitic cancer症例における大腸内視鏡検査の間隔についての検討

演者 神谷 徹(名古屋大・消化器内科)
共同演者 安藤 貴文(名古屋大・消化器内科), 石黒 和博(名古屋大・消化器内科), 前田 修(名古屋大・消化器内科), 渡辺 修(名古屋大・消化器内科), 三村 俊哉(名古屋大・消化器内科), 氏原 正樹(名古屋大・消化器内科), 平山 裕(名古屋大・消化器内科), 森瀬 和宏(名古屋大・消化器内科), 船坂 好平(名古屋大・消化器内科), 宮原 良ニ(名古屋大・光学医療診療部), 大宮 直木(名古屋大・消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大・消化器内科DELIMITER名古屋大・光学医療診療部)
抄録 【目的】当院では発症7年以上が経過した全大腸炎および左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎(UC)患者を対象に、原則として寛解期に年1回のsurveillance colonoscopy(SC)を推奨している。今回、我々は当院および関連病院で発見されたcolitic cancer症例から大腸内視鏡検査(CS)の期間について検討した。【方法】1998年10月から2011年7月までに当院で14例、関連病院(3施設)で13例がcolitic cancerと診断された。計27例のcolitic cancer症例のうち前回CSを行っていないUC初回診断の2例は除外された。今回我々は前回CSから癌が発見されるまでの期間からA群(0~14ヶ月)、B群(15~29ヶ月)、C群(30~59ヶ月)、D群(60ヶ月以上)の4群に分けて検討を行った。【成績】各群の症例をStage別にみると、A群10例のうちStage0が3例、Iが5例、IIとIIIaが各1例であった。B群には5例が入り、Stage0、IおよびIIが各1例、IVが2例であった。C群は2例でStage0が1例、IIIaが1例であった。D群には8例が入り、StageIIが2例、StageIIIaが2例、IIIbが1例、IVが3例であった。根治切除が期待できるStage0~IIで発見できたのはA群90%、B群60%、C群50%、D群25%であった。さらに組織型別に分化型(tub1,2)とそれ以外に分けると、Stage0~IIで発見できた症例の割合は、分化型はA,B,C群いずれも100%、D群でも66.7%であった。しかしながら非分化型ではA群で66.7%、B群では33.3%しかStage0~IIで発見できず、C,D群に至っては0%であった。【結語】colitic cancerは通常の大腸癌と比べて非分化型の癌が多く(40%)、これを念頭に入れると2年毎のSCでは不十分の可能性がある。しかしながら毎年のCSは患者と医療者双方にとって大きな負担であり、どのような病歴、内視鏡所見の症例が(特に非分化型)癌になりやすいのかを検討し、ハイリスク群を絞り込むことが今後の課題である。
索引用語 潰瘍性大腸炎, サーベイランス