セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)3

タイトル 消P-538:

潰瘍性大腸炎に対するインフリキシマブ療法の有用性についての検討-北九州多施設共同研究 第2報-

演者 秋穂 裕唯(北九州市立医療センター・消化器内科)
共同演者 渡邊 龍之(産業医大・3内科), 宗 祐人(戸畑共立病院・消化器病センター), 藤澤 聖(九州厚生年金病院・内科), 吉田 浩樹(九州労災病院・内科), 山縣 元(国立小倉医療センター・消化器科)
抄録 【目的】2010年に潰瘍性大腸炎(UC)に対してインフリキシマブ(IFX)が承認された。北九州エリアにおける潰瘍性大腸炎に対するIFX治療の有用性について、第97回日本消化器病学会九州支部例会で第1報を報告した。今回さらに症例数を増やし検討を行った。【方法】北九州地区9施設で潰瘍性大腸炎に対してIFXによる治療が行われた30症例の治療状況を検討した。有効性評価は治療開始8週後、12ヶ月後におけるMayoスコア(排便回数、直腸からの出血、内視鏡所見、医師による全般評価)の改善率等を検討した。【成績】30例は男女比1:1、平均年齢43.7±15.9歳、平均罹病期間5.9±6.1年、平均体重 56.3±10.4kgであった。病型分類は遠位大腸炎1例( 3.3%)、左側大腸炎 13例(43.3%)、全大腸炎15例(50.0%)、右側大腸炎 1例( 3.3%)、重症度は軽症1例( 3.3%)、中等症24例(80.0%)、重症5例(16.7%)であった。ステロイド抵抗性は8例(26.7%)、依存性 は16例(53.3%)であった。8週後におけるMayoスコアは33.3%が寛解、50%が改善、16.7%が不変であった。平均Mayoスコアは9.9点から3.7点に有意に改善した(p<0.001)。平均partial Mayoスコアは6.5点から2.0点に有意に改善した。平均CRPは2.0から0.2に有意に低下した。平均ESRは25.9から13.1へ有意に低下、平均排便回数も7.5回から3.3回へ有意に減少した。平均ステロイド服用量は19.5mgから11.6mgへ減少した。医師による全般改善度は58.6%が著明改善、24.1%が改善した。維持療法における評価は、2011年12月までの時点で投与12ヶ月後まで評価できたのは9例であった。30例のうち8例が中止し、2例に副作用を認めた。【結論】IFX投与8週後では8割以上に改善を認めた。投与12ヶ月後での有用性を検討するには更に多数例の検討が必要である。
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ