セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)3

タイトル 消P-540:

難治性潰瘍性大腸炎におけるインフリキシマブ治療効果と前治療の有効性との関係

演者 平川 智子(岡山大病院・消化器内科)
共同演者 平岡 佐規子(岡山大病院・消化器内科), 高橋 索真(岡山大病院・消化器内科), 秋田 光洋(岡山大病院・消化器内科), 原田 馨太(岡山大病院・消化器内科), 加藤 順(和歌山県立医大・2内科), 岡田 裕之(岡山大病院・消化器内科), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科)
抄録 【目的】インフリキシマブ(IFX)が潰瘍性大腸炎(UC)に対し保険適応となり、難治性UCに投与される機会が増えた。しかし、UCに対するIFX有効性はクローン病よりは低く、また比較的早期に効果が減弱する症例にも遭遇する。よって、どのようなUC症例にIFX治療が有用なのか、効果予測因子を明らかにすることが必要である。そこで当科におけるIFX投与UC症例を対象に、有効性に関与する因子の検討を行った。【方法】2007年5月より2012年3月に当科でIFXを投与したUC18例に対し、導入期(8W後)・維持期(30W後)でのIFX有効性の有無に関し、臨床背景因子、過去の治療経過につき比較した。【成績】対象患者背景は、男:女 7:11、年齢は37.5(14-65)歳、罹患期間は6.7(1-23)年であった。前治療はステロイド12例、免疫調節薬(AZA、6MP)15例、タクロリムス8例、血球除去療法6例(重複あり)で、IFX投与理由は、前治療寛解後再燃9例、前治療効果不十分7例、前治療無効2例であった。IFX有効性(寛解+有効)は、導入期15/18例(83%)、維持期8/13例(62%)であった。IFX有効性の有無に関しての臨床背景因子での検討では、年齢、性別、罹患期間、IFX開始時のCRP・Hbに関し、いずれも有意差は認めなかった。過去の治療経過に関しての検討では、治療内容(ステロイド・タクロリムス・免疫調節薬の有無)での差は認めなかったが、前治療の有効性での検討では、IFX導入期有効となったのは前治療寛解後再燃9/9例(100%)、効果不十分6/7例(86%)、無効0/2(0%)、維持期有効となったのは前治療寛解後再燃7/8例(88%)、効果不十分1/2例(50%)、無効0/2(0%)で前治療への反応性とIFXの有効性は有意に相関していた(p =0.003 、 p =0.04)。【結論】難治性UCに対するIFXの効果は前治療の有効性に左右され、とくに前治療無効症例では効果が期待できない可能性が高い。
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ