セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)3

タイトル 消P-541:

潰瘍性大腸炎のインフリキシマブ治療によるステロイド離脱効果

演者 有光 晶子(インフュージョンクリニック)
共同演者 伊藤 裕章(インフュージョンクリニック)
抄録 【目的】当院でインフリキシマブ治療中の潰瘍性大腸炎(UC)患者におけるステロイド離脱効果を調べることにより、UCに対するインフリキシマブ治療の有用性を検討した。【方法】当院で導入から行ったIFX治療中のUC患者の中で、IFX導入時ステロイド併用していた患者を対象とし、症状をみながら積極的にステロイド減量、離脱を試みた。これら患者のIFX投与時のステロイド量をretrospectiveにチェックし、ステロイド離脱効果を調べた。また、IFXとともに免疫調節薬の介入の必要性についても検討した。ステロイド投与量について、リンデロン坐薬0.5mgはプレドニン(PSL)5mgと換算した。【成績】当院でIFX治療を導入したUC患者は48例であった。投与回数3回未満の3例、大腸全摘後回腸嚢炎2例、他疾患に対するステロイド治療中の患者2例を除いた41例のうち、IFX導入時にステロイドを併用していた29例を対象とした。全例がステロイド依存性であった。IFX治療開始後のPartial Mayo score(中央値)は、IFX導入時2点(n=29)、導入後2週1点(n=29)、6週0点(n=29)、14週0.5点(n=26)、22週1点(n=22)と推移し、PSL投与量(中央値)については、IFX導入時15mg (n=29)、導入後2週10mg (n=29)、6週7mg (n=29)、14週1.25mg(n=26)、22週0mg(n=22)と推移した。29例中ステロイド離脱、減量可能であった症例は23例(79.3%)でそのうち20例(69.0%)は離脱可能であった。免疫調節薬併用せずにインフリキシマブ導入のみでステロイド離脱が可能であった症例は14例(70%)であった。【結論】IFX治療はステロイド依存性UCの症状改善するとともに、ステロイド減量、離脱に有用であると判断された。
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ