セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)3

タイトル 消P-542:

潰瘍性大腸炎に対するInfliximab療法の有用性についての検討

演者 川岸 加奈(北里大東病院・消化器内科)
共同演者 横山 薫(北里大東病院・消化器内科), 小林 清典(北里大東病院・消化器内科), 迎 美幸(北里大東病院・消化器内科), 小川 大志(北里大東病院・消化器内科), 佐田 美和(北里大東病院・消化器内科), 小泉 和三郎(北里大東病院・消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)に対するInfliximab(IFX)療法の有用性を明らかにする。【方法】2010年10月から2012年2月までにIFX療法を導入したUC16例を対象とした。UC発病年齢は28±12歳、IFX導入時年齢は39±9.6歳。病型は再燃寛解型、病変範囲は全大腸炎型が各14例を占めた。IFX導入時の重症度は重症1例、中等症13例、軽症2例で、うち入院例は6例(38%)であった。IFX導入時の併用療法は5-ASA製剤13例、predonisolone(PSL)11例、免疫調節薬5例などであった。PSL併用例のうち、ステロイド抵抗例が3例、依存例が7例、両方1例で、平均投与量は28±12.5mgであった。IFX療法は6.2±2.4回(2~10回)行い、平均治療期間は7.9±1.2ヶ月であった。IFX療法の寛解導入効果やPSL減量効果、副作用などについて検討した。【成績】1) IFX導入8週後の時点でUCの自覚症状の改善が71%(10/14例)で得られた。自覚症状が消失し炎症反応も陰性化した寛解導入が5例、寛解には至らないが有効が5例であった。治療効果不良の4例のうち3例はステロイド依存で1例は外科手術を行った。2)IFX療法によりPSLの減量が81%(9/11例)で可能となり、投与量は開始時平均28mgが導入後8.5mgになった。3)IFX維持療法に移行した14例のうち、症状の悪化を2例(14%) に認め入院加療を必要とした。IFXの効果減弱は4例に認められた。4) 重篤な副作用を2例に認め、内訳はカリニ肺炎と薬剤性ループスでともにIFX療法を中止した。【結論】UCに対するIFX療法は自覚症状の改善やステロイドの減量に有効な場合が多い。しかし重篤な副作用も認められ、注意深い経過観察が必要である。
索引用語 Infliximab(IFX)療法, 潰瘍性大腸炎