セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)3

タイトル 消P-543:

潰瘍性大腸炎患者に対するInfliximabの長期予後と効果予測因子の検討

演者 野上 晃司(兵庫医大・内科(下部消化管科))
共同演者 横山 陽子(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 樋田 信幸(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 應田 義雄(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 飯室 正樹(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 上小鶴 孝二(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 佐藤 寿行(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 小川 智広(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河合 幹夫(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河野 友彰(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 中村 志郎(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 三輪 洋人(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科))
抄録 背景・目的:Infliximab(IFX)の潰瘍性大腸炎(UC)に対する有効性は知られているが、本邦UCにおける報告は少ない。今回、我々はIFXを導入した活動期・難治性UC症例を後ろ向きに検討し、臨床的寛解導入、維持効果と症例背景を解析すると共に効果予測因子ついて考察した。対象・方法:2010年8月以降、当施設でIFXを導入した活動期UC患者29人を対象とした。IFXの投与量および投与スケジュールは、全例5mg/kg/回および0-2-6週で寛解導入、その後8週間隔の維持投与をおこなった。患者の平均年齢は33.2才、平均罹病期間は6.0年、また疾患活動性(Lichtiger’s clinical activity index; CAI)は平均8.0点であった。CAI≦4を臨床的寛解と定義、IFX導入10, 24, 54週の各時点で臨床的寛解となった群(R群)とそれ以外(NR群)に分け、比較検討した。結果: 10, 24, 54週各時点での臨床寛解率はそれぞれ58.6%, 50.0%, 37.5%であった。10週時点におけるCAIは24週時の臨床寛解(R群vs. NR群=3.0±1.3 vs. 7.0±3.2; P<0.01)、および54週時の臨床寛解(R群vs. NR群=4.0±1.5 vs. 7.0±3.2; P<0.05)と有意な相関が認められた。考察:今回の検討からIFXによる24週および54週時点での臨床的寛解維持の可否が10週時点のCAIで予測できる可能性が示唆された。本検討において途中IFXの効果減弱に対してthioprine等を併用した症例はなく、10週時点でIFXの効果が減弱した(NR)症例に関してthioprine等の併用による予後改善効果に関しては今後の課題であると思われた。
索引用語 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ