セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)4

タイトル 消P-544:

難治性潰瘍性大腸炎に対するタクロリムス経口投与の治療成績

演者 伴 宏充(滋賀医大・消化器内科)
共同演者 水田 寛郎(滋賀医大・消化器内科), 米倉 伸彦(滋賀医大・消化器内科), 中井 理恵(滋賀医大・消化器内科), 杉谷 義彦(滋賀医大・消化器内科), 大崎 理英(滋賀医大・消化器内科), 今枝 広丞(滋賀医大・消化器内科), 児堀 綾子(滋賀医大・消化器内科), 望月 洋介(滋賀医大附属病院・光学医療診療部), 塩谷 淳(滋賀医大・消化器内科), 稲富 理(滋賀医大・消化器内科), 馬場 重樹(滋賀医大・消化器内科), 佐々木 雅也(滋賀医大・栄養治療部), 斉藤 康晴(滋賀医大附属病院・光学医療診療部DELIMITER滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫)), 辻川 知之(滋賀医大・総合内科), 安藤 朗(滋賀医大大学院・感染応答・免疫調節部門(消化器免疫)), 藤山 佳秀(滋賀医大・消化器内科)
抄録 【目的】2009年に中等症から重症の難治性潰瘍性大腸炎に対してタクロリムス経口投与が保険適応となり、当院でもタクロリムスによる寛解導入症例が増えている。今回、タクロリムスの治療効果と安全性について検討を行った。【方法】2009年7月以降に中等症から重症の難治性潰瘍性大腸炎に対してタクロリムス経口投与を行った14人(男性9例、女性5例、平均年齢34.1歳、平均罹病期間64.9ヵ月、平均観察期間18.2ヵ月)を対象とした。病勢の評価はSeo indexを使用し150point以下を寛解、70point以上の低下を有効、それ以外を無効とした。4週後および12週後の治療効果および治療効果に与える影響について検討を行った。また、12週後の治療効果別にその後の追加治療についても検討を行った。【成績】4週後の寛解導入率は71%、12週後の寛解導入率は67%であった。12週までに腎障害で2例が、治療無効で2例が投与中止し他の治療へと移行した。12週時点で無効もしくは無効で中止となった4例は、慢性持続型もしくはCMV感染例であり、その後の経過で全例手術となった。12週時点で寛解となった8例のうち6例はその後も寛解維持できており、2例が再燃した。再燃例のうち1例はタクロリムス再導入、1例はIFXに移行したがいずれも再度寛解導入ができ手術は回避している。【結論】タクロリムスは難治性潰瘍性大腸炎に対して高い寛解導入効果および安全性を示した。慢性持続型、CMV感染例は寛解導入困難例であり今後これらの症例に対する治療方針の検討が重要であると考えられた。
索引用語 潰瘍性大腸炎, タクロリムス