セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)4 |
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タイトル | 消P-548:潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスによる治療時の血中サイトカインの動態 |
演者 | 春日井 聡(岩手医大・消化器・肝臓内科) |
共同演者 | 千葉 俊美(岩手医大・消化器・肝臓内科), 松田 望(岩手医大・消化器・肝臓内科), 佐藤 邦彦(岩手医大・消化器・肝臓内科), 柴田 將(岩手医大・消化器・肝臓内科), 安孫子 幸人(岩手医大・消化器・肝臓内科), 小穴 修平(岩手医大・消化器・肝臓内科), 廣田 茂(岩手医大・消化器・肝臓内科), 遠藤 昌樹(岩手医大・消化器・肝臓内科), 滝川 康裕(岩手医大・消化器・肝臓内科), 鈴木 一幸(岩手医大・消化器・肝臓内科) |
抄録 | 【背景】潰瘍性大腸炎(UC)は遺伝因子、腸内細菌パターンの崩壊や病原細菌の存在、食物抗原等によって免疫が惹起され抗原提示細胞が活性化して様々なサイトカインを賛成する。【目的】当科でUCに対しタクロリムス(TAC)を投与した症例の血中サイトカインの動態について検討した。【対象および方法】2009年10月より2012年1月までにTACによる治療を行った10症例に関してTAC投与前後の血清サイトカインの動態を測定・比較検討した。男性7例、女性3例、平均年齢49.7歳(24-71歳)、ステロイド依存性2例、ステロイド抵抗性8例、左側結腸炎型1例、全大腸炎型9例、重症2例、中等症8例であった。【方法】TACの初回投与量は0.025mg/kgから0.1mg/kgを1日1又は2回投与。2週間目標血中トラフ濃度を10~15ng/mLとし、血中トラフ濃度をモニタリングしながら投与量を調節した。2週以降は目標血中トラフ濃度を5~10ng/mLとし投与量を調節した。TAC投与前後の血清サイトカインの動態を測定した。血清サイトカインプロファイルはTAC投与前後の血清を用い、Bio-plex、Bio-Radを用いて測定した。【結果】TACは10例中8例が有効で、2例が無効のため手術となった。2例で目標血中トラフ濃度に到達しなかったが、いずれも手術回避可能であった。有効例8例のうち、ステロイド抵抗性の6例においてIL-8が307.4から48.5と減少したがステロイド依存性の2例では変化を認めなかった。無効例ではIL-8が27.6から1270と増加を認めた。有効例8例ではIL-7が7.0から4.1、G-CSFが12.1から1.63と低下を認めたが、無効例では変化を認めなかった。IL-8、IL-7、G-CSFいずれも数値による有効性との相関は認めなかった。【結語】UCの活動性の指標としてIL-8は有用であるがTACの有効性の予測因子にはならなかった。 |
索引用語 | タクロリムス, サイトカイン |