セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)5

タイトル 消P-549:

当院で潰瘍性大腸炎患者に外来及び入院で投与したtacrolimusの使用経験

演者 渡辺 修(名古屋大大学院・消化器内科学)
共同演者 安藤 貴文(名古屋大大学院・消化器内科学), 石黒 和博(名古屋大大学院・消化器内科学), 前田 修(名古屋大大学院・消化器内科学), 神谷 徹(名古屋大大学院・消化器内科学), 三村 俊哉(名古屋大大学院・消化器内科学), 氏原 正樹(名古屋大大学院・消化器内科学), 平山 裕(名古屋大大学院・消化器内科学), 森瀬 和宏(名古屋大大学院・消化器内科学), 舩坂 好平(名古屋大大学院・消化器内科学), 中村 正直(名古屋大大学院・消化器内科学), 宮原 良二(名古屋大大学院・消化器内科学), 大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学)
抄録 【目的】当院で外来及び入院で潰瘍性大腸炎(UC)患者に投与を行ったtacrolimus (Tac)の有効性・安全性について検討した。【方法】入院患者19例(重症14例、中等症5例)、外来患者18例(全例中等症)にTacを投与した。初回投与量は0.05mg/kg、入院では投与1,3,7,14日後、外来では3,7,14日後にトラフ値を測定し、投与量の調節を行った。治療効果判定はLitchigerのClinical activity index (CAI) を用い、投与後のCAIが4以下を寛解、投与前より5以上の低下を有効とした。【成績】投与4週後、入院では19例中寛解11例、有効3例、無効5例、そのうち重症の14例は寛解8例、有効3例、無効3例であった。経口摂取を行わずに投与を受けた10例では寛解8例、有効1例、無効1例、経口摂取した9例では寛解3例、有効2例、無効4例であり、経口摂取を行わない方で寛解導入率が有意に高かった。外来では18例中寛解10例、有効2例、無効6例であった。4週後に寛解・有効となった22例の経過は、3ヶ月後に18例が寛解、1例が有効を維持し、3例が悪化した。Azathioprine (AZA)を併用せず6カ月以上Tacの投与を続けた8症例は、5例が手術となったが、AZAを併用して6カ月以上Tacの投与を行った6症例は、手術となる症例はなかった。副作用は腎障害5例、手指振戦5例、倦怠感2例、頭痛2例、高血糖1例であった。【結論】外来及び入院でTacは安全に投与が可能で、4週間後の有効率は70%以上であった。特に経口摂取を行わなかった症例で寛解導入率が高く、また長期に投与する場合はAZAを併用することで手術を回避できる可能性が示唆された。
索引用語 潰瘍性大腸炎, タクロリムス