セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)5 |
---|---|
タイトル | 消P-552:当院における難治性潰瘍性大腸炎に対するタクロリムスの効果 |
演者 | 長島 藍子(済生会新潟第二病院・消化器内科) |
共同演者 | 本間 照(済生会新潟第二病院・消化器内科), 窪田 智之(済生会新潟第二病院・消化器内科), 関 慶一(済生会新潟第二病院・消化器内科), 広瀬 奏恵(済生会新潟第二病院・消化器内科), 阿部 寛幸(済生会新潟第二病院・消化器内科), 岩永 明人(済生会新潟第二病院・消化器内科), 石川 達(済生会新潟第二病院・消化器内科), 吉田 俊明(済生会新潟第二病院・消化器内科), 上村 朝輝(済生会新潟第二病院・消化器内科) |
抄録 | 【目的】難治性(ステロイド抵抗性・依存性)潰瘍性大腸炎に対するタクロリムス(Tac)の短期、長期治療成績を検討する。【対象】2009年7月~2012年2月の期間に当院でTacによる治療を行った難治性潰瘍性大腸炎患者30例を対象とした。男性16人、女性14人、平均年齢40.7歳。Tac投与開始6週後までの短期治療成績と、それ以降の長期治療成績について検討した。血便が消失しかつ便回数≦2行/日を寛解とし、それ以外で症状改善したものを有効とした。【成績】短期治療成績では、全例血中トラフ値は10ng/ml以上へ到達したが、寛解17例、有効9例、無効4例で、寛解と有効を合わせた有効率は86.7%であった。無効4例中3例は6週以内に手術となった。長期経過では新たに3例が(短期有効例9例中2例がそれぞれ13カ月後、9カ月後に、短期寛解例17例中1例が9カ月後に)手術となっており、合計6例20%が手術となった。非手術例のうち、3カ月以上経過が追えている21例のうち最終的に寛解期にある症例は10例であった。このうち6例はTac継続投与を行っていた。活動性の残存する11例では7例がTacを中止できずに継続し、このうち4例はチオプリンを併用していた。ステロイドの併用は、経過中再燃し再投与され減量中の3例であった。経過中みられた副作用は手指振戦、筋肉痛関節痛、腓返り、尿潜血陽性などで重篤なものはなく、また感染症もなかった。【結論】Tacの短期有効率は86.7%と良好であった。短期での寛解・有効症例のなかにも1年ほどで手術を余儀なくされた症例があり、Tac投与例の20%が手術を受けていた。Tac併用はステロイド離脱には有用と思われたが、再燃例や、いわゆる、くすぶっている症例に対していつまで継続するべきなのか、さらに生物学的製剤をどのようにストラテジーに組み込んで行くべきなのか、今後検討を重ねたい。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, タクロリムス |