セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)6 |
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タイトル | 消P-555:外来潰瘍性大腸炎患者の自由意思による治療選択の妥当性~タクロリムスvsインフリキシマブ~ |
演者 | 佐塚 小百合(千葉大・消化器内科) |
共同演者 | 勝野 達郎(千葉大・消化器内科), 齊藤 景子(千葉大・消化器内科), 齊藤 昌也(千葉大・消化器内科), 丸岡 大介(千葉大・消化器内科), 松村 倫明(千葉大・消化器内科), 中川 倫夫(千葉大・消化器内科), 新井 誠人(千葉大・消化器内科), 横須賀 收(千葉大・消化器内科) |
抄録 | 【目的】中等症潰瘍性大腸炎(UC)の寛解導入療法として、当院では、禁忌がない限り患者にタクロリムス(FK506)またはインフリキシマブ(IFX)のいずれかの治療法を選択して頂くというスタンスをとっているが、この妥当性を裏付けるデータはない。そこで、中等度UC症例に対する、患者の自由意思による治療選択の妥当性についてretrospectiveに検討した。【方法】2010年6月から2012年1月までに、外来で治療継続が可能と判断されたステロイド抵抗性または依存性の潰瘍性大腸炎患者を対象とし、外来にてFK506を導入した群(FK506群)とIFXを導入した群(IFX群)での患者背景および治療成績を比較した。両群における治療開始8週後の臨床的活動性をLichtiger scoreを用いて検討した。【成績】症例は19例。FK506群:9例(男:女3:6、発症年齢33.8±16.3歳、FK506開始年齢40.3±15.2歳、罹病期間5.9±3.7年、病型:全大腸炎型7例、左側大腸炎型2例、慢性持続型4例、再燃寛解型5例、全例ステロイド依存性)、IFX群:10例(男:女8:2、発症年齢32.9±11.9歳、IFX開始年齢39.5±11.8歳、罹病期間6.3±6.2年、病型:全大腸炎型8例、左側大腸炎型2例、慢性持続型4例、再燃寛解型6例、全例ステロイド依存性)。両群の患者背景には男女比に差がみられたがその他は有意差を認めなかった。Lichtiger scoreの変化は、FK506群:治療開始時8.7±2.2、8週後4.1±2.5、IFX群:治療開始時8.0±2.2、8週後3.0±3.5と両群ともに有意に改善を認めた(それぞれ、p=0.001、p=0.002)。治療開始前の活動性には両群間で有意差はなく(p=0.52)、8週間後の活動性にも両群間で有意差はなかった(p=0.88)。【結論】中等症UC症例に対して禁忌がない限り患者に治療選択して頂くというスタンスが妥当であることを示唆する結果を得た。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, レミケード |