セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)6

タイトル 消P-556:

当院における潰瘍性大腸炎に対するinflximabおよびtacrolimusによる治療成績の比較検討

演者 木村 佳代子(慶應義塾大・消化器内科)
共同演者 三好 潤(慶應義塾大・消化器内科), 松岡 克善(慶應義塾大・消化器内科), 井上 詠(慶應義塾大・内視鏡センター), 丸山 悠里子(慶應義塾大・消化器内科), 三上 洋平(慶應義塾大・消化器内科), 筋野 智久(慶應義塾大・消化器内科), 水野 慎大(慶應義塾大・消化器内科), 米野 和明(慶應義塾大・消化器内科), 高林 馨(慶應義塾大・消化器内科), 佐藤 俊郎(慶應義塾大・消化器内科), 矢島 知治(慶應義塾大・消化器内科), 久松 理一(慶應義塾大・消化器内科), 長沼 誠(慶應義塾大・内視鏡センター), 岡本 晋(慶應義塾大・消化器内科), 金井 隆典(慶應義塾大・消化器内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター), 岩男 泰(慶應義塾大・予防医療センター), 日比 紀文(慶應義塾大・消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎の難治症例に対してinfliximab (IFX)とtacrolimus (Tac)による治療が、近年相次いで保険適用になった。しかし、IFXとTacの使い分けについては、まだ一定のコンセンサスは得られていない。そこで、今回の検討では、(1) retrospectiveにIFXとTacの治療成績を比較すること、(2) IFXとtacの移行例における治療成績を検討すること、によってそれぞれの薬剤の位置づけを明らかとすることを目的とした。【方法】対象は2009年7月から2011年11月までにIFX・tacの投与を受けた潰瘍性大腸炎患者80症例である。投与3カ月後のLichtiger indexをもとに治療効果をretrospectiveに解析した (寛解:Lichtiger index 4点以下, 改善:治療後のLichtiger index 3点以上低下かつ10点以下)。【成績】IFX治療歴のないTac治療症例46例では、治療開始3カ月後に28例(60.9%)で寛解もしくは改善を認めた。一方で、Tac治療歴のないIFX治療症例33例のうち、寛解もしくは改善を認めたのは21例(63.6%)であり、初回治療においては両薬剤の有効性には差を認めなかった。さらに、IFX無効でTacに移行した症例については、改善を認めたのは7例中例(28.6%)に過ぎず、またTac無効でIFXに移行した16例においても有効であったのは7例(43.8%)であり、いずれも初回治療例に比べて有効性が劣っていた。【結論】以上の結果より、現時点ではTacとIFXの使い分けは個々の症例に応じて決めるしかないと考えられた。また、一方の薬剤の効果がない場合のもう一方の薬剤への移行は初回治療例に比べて有効性が劣るため、副作用のリスクも考慮し、慎重に検討する必要があると考えられた。
索引用語 infliximab, tacrolimus