セッション情報 |
ポスターセッション(消化器病学会)
大腸(潰瘍性大腸炎)6
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タイトル |
消P-558:難治性潰瘍性大腸炎におけるInfliximab効果減弱例に対して顆粒球除去療法(GCAP)併用例の検討
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演者 |
田中 友隆(県立安芸津病院・消化器内科) |
共同演者 |
杉山 真一郎(県立安芸津病院・消化器内科), 五石 宏和(県立安芸津病院・消化器内科), 梶原 剛(県立安芸津病院・内科), 三浦 敏夫(県立安芸津病院・内科), 山田 康博(県立安芸津病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】Infliximab(以下IFX)はクローン病(以下CD)に続いて、2010年から難治性潰瘍性大腸炎(以下UC)の寛解導入療法として新たにに認可された。しかしCDと同様にUCにおいてもIFX効果減弱例が存在しており問題となっている。今回われわれはIFX効果減弱例に対して顆粒球除去療法(以下GCAP)を併用することによって寛解維持可能になった難治性UC2例を経験したので報告する。【症例1】60歳代、男性、2009年発症の全大腸炎型UC例、再燃寛解型。2011年2月に0-2-6週でIFXを施行して寛解導入した。しかしIFX維持投与4週前に下血や腹痛が出現したため0-2-6週でIFX再施行したが、IFX維持投与4週前に再び症状出現したためGCAPを週1回併用した。GCAPによって症状は改善したため8週目にIFX維持投与が可能となった。その後IFX4週目からGCAP1回/週併用することによって寛解維持を継続している。【症例2】30歳代、女性、2000年発症の左側大腸炎型UC例、再燃寛解型。2011年1月に0-2-6週でIFX施行して寛解導入した。しかしIFX維持投与3週前に下痢や腹痛、下血が出現したため0-2-6週でIFX再施行したが、IFX維持投与3週前に再び症状が出現したため、GCAPを週1回併用した。GCAPによって症状改善したため8週目にIFX維持投与が可能となった。その後IFX4週前にGCAP1回/週併用することによって寛解維持を継続している。【結論】IFX効果減弱においては中和抗体出現(9~13%/年)による抗体製剤の有効血中濃度低下が原因の一つとされている。CDではIFX投与間隔の短縮や増量投与(倍量投与)が行われているが現時点でUCは適応外である。IFX効果減弱例における中和抗体に対してステロイド投与も考えられるがGCAPで代用可能であった経験と副作用の面から考えるとIFX効果減弱例にGCAP併用は有用な方法の一つであると思われた。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, GCAP |