セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)6

タイトル 消P-559:

長期経過中に顆粒球除去療法(GCAP)を複数回施行した潰瘍性大腸炎に関する検討

演者 田中 友隆(県立安芸津病院・消化器内科)
共同演者 杉山 真一郎(県立安芸津病院・消化器内科), 五石 宏和(県立安芸津病院・消化器内科), 梶原 剛(県立安芸津病院・内科), 三浦 敏夫(県立安芸津病院・内科), 山田 康博(県立安芸津病院・消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(以下UC)に対して顆粒球除去療法(以下GCAP)はステロイドやinfliximabと比較して副作用が少ないことは周知のとおりである。しかしGCAP後の再燃例も多く、治療後の長期経過は報告が少ない。今回われわれはGCAP後5年以上の長期経過観察が可能であったUC例のうち長期経過中にGCAPを複数回施行した症例について検討した。【対象】2003年7月から2011年1月までにGCAPによる寛解導入療法を施行し、5年以上の経過観察が可能であったUC45例を対象とした。ステロイドナイーブ例31例、ステロイド依存例14例、男性25例、女性20例、平均年齢はステロイドナイーブ例38.6歳、ステロイド依存例54.5歳、病型は全大腸炎型24例、左側大腸炎型21例、治療前の平均Clinical Activity Index(以下CAI)は12.5だった。【方法】GCAP前に投与されていた内服薬や注腸療法はそのまま継続投与および症状に合わせて適宜減量もしくは中止した。効果判定はGCAP10~11回目終了後に行い、CAI値が4以下になった症例を寛解導入とした。【結果】ステロイドナイーブ例のGCAP1回目の寛解導入率は23/31例(74.2%)、平均寛解期間は11.6ヶ月、2回目は11/14例(78.6%)、9.5ヶ月、3回目は7/10例(70%)、8.0ヶ月、4回目は5/8例(62.5%)、11.0ヶ月、5回目は5/7例(71.4%)、8.3ヶ月であった。ステロイド依存例のGCAP1回目の寛解導入率は7/14例(50.0%)、平均寛解期間は12.7ヶ月、2回目は7/10例(70.0%)、10.5ヶ月、3回目は6/10例(60.0%)、11ヶ月、4回目は4/8例(50.0%)、8ヶ月、5回目は3/7例(42.9%)、5ヶ月であった。【結論】ステロイドナイーブ例、ステロイド依存例のいずれも2回目以降の寛解導入率は初回と同様に高い導入率であった。ステロイドナイーブ例は頻回にGCAPを施行しても導入率や寛解期間に大きな変化はなかったがステロイド依存例では寛解導入後の寛解期間が短くなる傾向があった。
索引用語 潰瘍性大腸炎, GCAP