セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)7 |
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タイトル | 消P-561:ウイルス性肝炎合併潰瘍性大腸炎患者に対する白血球除去療法 |
演者 | 河合 幹夫(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
共同演者 | 福永 健(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 佐藤 寿行(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 小川 智広(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 野上 晃司(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 河野 友彰(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 戸澤 勝之(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 上小鶴 孝二(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 横山 陽子(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 吉田 幸治(友愛会病院), 飯室 正樹(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 應田 義雄(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 樋田 信幸(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 中村 志郎(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 三輪 洋人(兵庫医大・内科(上部消化管科)), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科)) |
抄録 | 【目的】本邦における潰瘍性大腸炎(UC)患者数は近年持続的に増加している。それにつれて合併症を有する症例も増加しており、特にウイルス性肝炎(VH)合併UCでは再燃した場合、ステロイド(PSL)や抗TNF-α抗体製剤に代表される免疫制御治療の導入は肝炎の増悪を惹起する可能性があり治療方針の決定が難しい。我々はVH合併急性期UCに対する白血球除去療法(CAP)の有用性を後ろ向きに評価した。【方法】対象は2007年以降、当院において週1回法で10回のCAPを導入したUC患者のべ176例のうちVHを合併した4症例に対する5治療(LCAP:GMA=1:4)。平均年齢・UC罹病期間は其々48.6才・16.8年。UC病型は1例が左側型、他が全大腸型。2例がHBV、他がHCV感染を合併。UCの疾患活動性はLichtigerのClinical activity index (CAI)で、VHの活動性は血漿AST, ALT値で評価した。【成績】CAP導入前(9.50±2.65) の平均CAI値と比較して、5回時(5.75±1.89; P<0.05)および10回時(5.25±1.89; P<0.05)とも有意な改善を認めた。肝機能に関して、HCV感染合併の1例で治療前・後のAST/ALTが、14/33・72/240と上昇した以外は明らかな肝機能の変化を認めなかった。【結論】肝機能増悪を来した1例は、結節性紅斑を合併し深掘れ潰瘍を合併する重症例(CAI 12点)であったため入院の上で絶飲食としPSL40mg(0.8mg/kg)/日の静脈注射とGMAを併用した症例であった。CAPを用いた寛解導入療法はVH合併UCの有用な治療選択肢であると期待されるが、UCの病勢が強度な症例では他の免疫制御治療併用によるVH増悪の危険を認識して厳密な管理を心掛ける必要があると示唆された。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, ウイルス性肝炎 |