セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)7

タイトル 消P-565:

当院におけるpH依存型メサラジン放出調節製剤の有用性の検討

演者 藤田 英行(倉敷中央病院・消化器内科)
共同演者 松枝 和宏(倉敷中央病院・消化器内科), 土井 顕(倉敷中央病院・消化器内科), 毛利 裕一(倉敷中央病院・消化器内科), 山本 博(倉敷中央病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院にてpH依存型メサラジン放出調節製剤を使用した症例についてその有用性についてretrospedtiveに検討する。【方法】2010年10月から2012年2月までの期間にpH依存型メサラジン放出調節製剤(アサコール®)が投与された潰瘍性大腸炎患者51例を対象とした。アサコール®投与量は1200~3600mg/日であり、前投薬はメサラジン徐放錠(ペンタサ®)500~4000mg/日、サラゾスルファピリジン錠(サラゾピリン®)2000~6000mg/日であった。臨床効果判定はUC-DAIスコアを用いた。2群間の比較はpaired t-testを用いた。【成績】全症例における検討ではアサコール®投与前と投与4週間後のUC-DAIスコアはmean±SDで4.74±2.67点から2.80±2.42点と有意な低下を認めた。前治療薬別の検討ではペンタサ®3.0g以下で4.62±2.43から2.00±1.70、ペンタサ®4.0gで4.50±2.01から3.60±2.01と共に有意な低下を認めたが、サラゾピリン®は3.25±2.71から2.38±2.87と有意な差を認めなかった。病型別の検討では全大腸炎型で4.77±2.61から2.81±2.36、左側大腸炎型で4.86±2.73から3.14±2.62と共に有意な低下を認めたが、直腸炎型は4.28±3.04から1.71±1.89と有意な差を認めなかった。重症度別の検討では軽症で1.80±0.94から1.07±0.59、中等症で6.00±1.26から3.45±2.01と共に有意な低下を認めたが、重症は9.67±0.58から6.67±4.93と有意な差を認めなかった。【結論】既存治療からアサコール®への変更は有効性を期待できる選択肢の一つとして考えられた。
索引用語 潰瘍性大腸炎, メサラジン