セッション情報 ポスターセッション(消化器病学会)

大腸(潰瘍性大腸炎)7

タイトル 消P-567:

潰瘍性大腸炎に対するpH依存型5ASA製剤の治療効果

演者 川邉 正人(順天堂大練馬病院・消化器内科)
共同演者 立之 英明(順天堂大練馬病院・消化器内科), 小沼 宏徳(順天堂大練馬病院・消化器内科), 嶋田 裕慈(順天堂大練馬病院・消化器内科), 吉村 美保(順天堂大練馬病院・消化器内科), 傳 光義(順天堂大練馬病院・消化器内科), 國分 茂博(順天堂大練馬病院・消化器内科), 宮崎 招久(順天堂大練馬病院・消化器内科)
抄録 【目的】潰瘍性大腸炎(UC)に対する基本的治療薬には、メサラジン(5ASA)やサラゾスルファピリジン(SASP)が使われている。近年5ASAの中でも、pH依存型の放出制御機構を持つ製剤も使われるようになったが、その効果についての報告は少ない。今回我々は、その治療効果について検討した。【方法】2010年1月から2011年12月までに当院において、pH依存型5ASA製剤を開始した36症例のうち、従来の5ASAおよびSASP製剤から変更になった症例を対象とし、変更前、8週後および24週後における治療効果をpartialDAIおよびCAIを用いてretrospectiveに検討した。【成績】対象となったのは28症例(男10例、女18例)、平均39.5歳。全大腸炎型6例、左側大腸炎型11例、直腸炎型11例であった。そのうち、注腸薬、坐薬またはステロイド薬(増量した症例を除く)を併用していたのは14例であった。partialDAIスコア(平均)は、変更前3.25、8週後1.86、24週後1.20と改善がみられた。CAIスコア(平均)でも、それぞれ4.04、2.50、1.10と改善がみられた。変更前CAIスコア≧3の18症例を対象にCAIスコア≦2を寛解、2ポイント以上の低下を改善、1ポイント以下の低下を不変とした時、8週後では、寛解6例、改善5例、不変5例、24週後では、それぞれ11例、2例、1例と改善がみられた。併用薬のあった14例においては、8週後では5例、24週後では9例に併用薬の中止が可能であった。【結論】pH依存型5ASA製剤は、従来の治療薬と比較して遜色のない効果が期待できた。特に注腸や坐薬などを併用している症例では、それらの減量や中止が可能となり患者のQOLの向上につながると考えられた。
索引用語 潰瘍性大腸炎, メサラジン