セッション情報 | ポスターセッション(消化器病学会)大腸(潰瘍性大腸炎)8 |
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タイトル | 消P-571:潰瘍性大腸炎における内視鏡所見と高感度CRPの検討 |
演者 | 小林 真(市立四日市病院・消化器科) |
共同演者 | 二宮 純(市立四日市病院・消化器科), 熊谷 成将(市立四日市病院・消化器科), 前川 直志(市立四日市病院・消化器科), 山脇 真(市立四日市病院・消化器科), 桑原 好造(市立四日市病院・消化器科), 水谷 哲也(市立四日市病院・消化器科), 杉浦 寧(杉浦医院), 矢野 元義(市立四日市病院・消化器科) |
抄録 | 【目的】潰瘍性大腸炎の臨床重症度分類では炎症性マーカーとして赤沈が使用されている。高感度CRP測定法は従来のCRP測定法に比べて約100倍の感度をもつとされており、新生児感染症や動脈硬化など微量の炎症を判定する場合にも用いられている。われわれは高感度CRPが潰瘍性大腸炎の評価に使用可能かをMattsの内視鏡所見分類を用いて検討した。【方法】当院における潰瘍性大腸炎患者59例(直腸炎型12例、左側大腸炎型30例、全大腸炎型17例)に対して2008年1月からの内視鏡検査(計122回)の画像を用い、内視鏡検査前の高感度CRP値とMattsの内視鏡所見分類(日本語改変)との関連を検討した。他に感染症状や炎症の原因を認める場合は除外した。高感度CRPの測定にはラテックス凝集比濁法を用いた。直腸炎型は炎症の面積が狭くCRPが上昇しにくい可能性があるため、直腸炎型と直腸炎型以外を分けて検討した。【結果】直腸炎型のCRP値はGrade1:0.094±0.086mg/dl、Grade2:0.042±0.022 mg/dl、Grade3:0.039±0.046 mg/dl、Grade4:症例なし、で各群に有意差を認めなかった。しかし直腸炎型以外ではGrade1:0.054±0.051 mg/dl、Grade2:0.066±0.043 mg/dl、Grade3:0.49±0.76 mg/dl、Grade4:3.6±3.2 mg/dlであり、Grade1とGrade2の間には有意差を認めなかったが、Grade2とGrade3 、Grade3とGrade 4の間には共に有意差を認めた(P<0.05)。【結語】直腸炎型以外においてGrade3より高感度法ではCRPが正常範囲内においても上昇する傾向がみられた。膿様粘液の付着など中等症の炎症が直腸より深部に広がった場合、高感度CRPは変動する可能性があり、潰瘍性大腸炎の炎症を評価できる指標となると考えられた。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, 高感度CRP |